情報の“洪水” 第2話:賢い“濾過(ろか)”装置
大量の通知に追われ、本来の仕事に集中できずにいる高橋。
この現代的な問題を、解決する糸口はあるのでしょうか。
その日の夕方。
マネージャーの佐藤理恵は、高橋の進捗が遅れていることに気づき、声をかけた。
「高橋くん、例の件、何か困ってる?」
「すみません…。どうも、割り込みが多くて、なかなか集中できなくて…」
申し訳なさそうに言う高橋を見て、佐藤は頷いた。
それは、高橋だけの問題ではない。
チーム全体が、情報過多によって、本来のパフォーマンスを発揮できていないことを、彼女も感じていた。
翌朝。
高橋が、昨日と同じように、ゆううつな気分でPCを開くと、見慣れた『ワンチーム』のダッシュボードが、少しだけ様変わりしていることに気づいた。
一番上に、『今日の“要点”』と名付けられた、新しいエリアが設置されていたのだ。
そこには、昨日のような情報の洪水はなく、信じられないほど整理された、数行のテキストだけが表示されていた。
【最優先事項 (To Do)】
・本日9:00~12:00は、あなたの最重要タスクである「ユーザー認証モジュールの実装」に集中することを推奨します。
このタスクは、現在2名の他メンバーの作業をブロックしています。
【要確認・要返信 (Reply Needed)】
・経理部から、経費精算の提出依頼が届いています(期限:本日15:00)。
・鈴木様から、コードレビューの依頼が届いています。
【参考情報 (For Your Information)】
・プロジェクトBで、軽微なUIの不具合に関する議論がありましたが、既に解決済みです。あなたが対応する必要はありません。
高橋は、息をのんだ。
AIが、昨日の情報の洪水を、すべて読み解いた上で、彼の役割と優先度を完璧に理解し、ノイズを取り除き、やるべきことだけを抽出してくれている。
それは、まるで、濁流の川の水を、一瞬で澄んだ飲み水に変えてしまう、超高性能な「濾過装置」のようだった。
お読みいただき、ありがとうございます!
全ての情報を読み解き、「今日の要点」だけを提示してくれる。
まるで、超有能な秘書のようですね。
『ワンチーム』の新しい機能は、高橋を救うことができるでしょうか。
次回、このエピソードもついに完結です。




