最高の“交渉人” 第2話:“勝利”へのシナリオ
重要な交渉を前に、プレッシャーで押しつぶされそうになっている高橋。
途方に暮れる彼に、解決の糸口はあるのでしょうか。
深夜、一人オフィスに残り、不安とプレッシャーで押しつぶされそうになっていた高橋のPCに、『ワンチーム』から通知が届いた。
それは、彼だけに送られた、特別なサポートの提案だった。
『担当タスク「フューチャー・ダイナミクス社 契約更新交渉」について、あなたを支援するための準備ができました。「交渉サポートパック」を表示しますか?』
高橋が、祈るような気持ちで「はい」をクリックすると、画面に詳細なレポートが表示された。
『過去5年間の全議事録、メール、契約書を分析した結果、今回の交渉のポイントは以下の通りです』
そこには、信じられないほど具体的で、論理的な「勝利へのシナリオ」が書かれていた。
【交渉相手のプロファイル】
・乾部長は、感情論よりも、データに基づいた長期的なコストパフォーマンスを重視する傾向にあります。
【最重要交渉事項(譲れない条件)】
1. 年間保守費用5%の価格改定:
・理由:過去2年間の無償アップデートによる機能追加(3項目)と、昨今の物価上昇をデータで提示してください。
2. サポート範囲の明確化(平日9時~18時):
・理由:開発チームの健全な労働環境を維持するため。
時間外対応は別途見積もりとなることを契約書に明記します。
3. 匿名化された運用データの取得許諾:
・理由:今後の障害予測の精度向上のため。
これは、クライアント側にもメリットがあることを強調してください。
【交渉カード(譲歩可能な条件)】
・相手が価格に難色を示した場合、交渉カード①「通常は有償の『高度分析レポート機能』の初年度無償提供」を提示してください。
・サポート時間の延長を求めてきた場合、交渉カード②「月5時間までの時間外サポートを保守費用内で提供」を提示してください。
それは、まるで未来を予知したかのような、完璧な戦略ガイドだった。
高橋は、その夜、夢中で「交渉サポートパック」を読み込んだ。
それは、セリフを暗記する作業ではない。
相手を知り、自分の武器を知り、勝利への道筋を理解する、知的で、心強い準備だった。
彼の心から、あれほど大きかった不安が、静かに消えていくのを感じた。
お読みいただき、ありがとうございます!
過去の全データを分析し、「勝利へのシナリオ」を提示する。
『ワンチーム』は、もはや最高の軍師ですね。
この完璧なサポートを得て、高橋は変われるのでしょうか。
次回、このエピソードもついに完結です。
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