一人だけの“砦” 第2話:“砦”の設計図
ベテラン・鈴木の不在により、重大なシステム障害に対応できず、パニックに陥る高橋たち。
この絶体絶命の状況を、解決する糸口はあるのでしょうか。
佐藤は、万策尽きた、と天を仰いだ。
鈴木さんの携帯に電話をかけるべきか。
いや、病人で休んでいる彼に、そんなことはできない。彼女が究極の選択に迫られていた、その時だった。
彼女のPC画面に、『ワンチーム』から緊急度の高い通知が届いた。
『インサイト:重大インシデントが発生しましたが、担当タスクの95%を過去に処理していた鈴木様が不在のため、解決が停滞しています。
これは、事業継続における重大な「単一障害点」です』
続けて、こう表示された。
『対策案:鈴木様の過去10年間の全作業ログ、コード修正履歴、関連チャットログを緊急解析し、当該システムのアーキテクチャ(構造)と暗黙的なルールをまとめた「緊急技術ドキュメント」を生成します。
生成には15分を要します。実行しますか?』
佐藤は、その提案に、一筋の光を見た。
「…お願いします!」
彼女が祈るような気持ちでボタンを押すと、システムは猛烈な勢いで解析を開始した。
そして15分後。高橋の元に、一冊の電子書籍ほどのボリュームがある、
詳細なドキュメントが届けられた。
それは、誰も見たことのなかった、あの「砦」の、完璧な設計図だった。
お読みいただき、ありがとうございます!
10年分の作業ログを、わずか15分で「設計図」に…。
『ワンチーム』の、規格外の能力が発揮されました。
この設計図は、チームを救う光となるのでしょうか。次回、このエピソードもついに完結です。
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