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案外、世界は優しさでできている  作者: かつを
第一部 IT企業編
28/119

一人だけの“砦” 第1話:“巨匠”の不在

さて、今日からは新しいエピソードが始まります。

今回のテーマは「業務の属人化」。

「この仕事は、あの人しか知らない」…あなたの職場にも、そんな“砦”はありませんか?

火曜日の朝。

株式会社テックフォレストに、一本の電話が入った。


「すみません、鈴木ですが…、熱が下がらず、本日お休みをいただきます」


ベテランエンジニア、鈴木守からの珍しい欠勤の連絡だった。

チームのメンバーは皆、「お大事にしてください」と彼の体を気遣った。

彼が一人で守っている、あの古い基幹システムの保守業務。

一日くらい、何も起こらないだろう。

誰もが、そう高を括っていた。


だが、悪夢は、その日の午後にやってきた。

一社の大口クライアントから、障害報告の緊急アラートが鳴り響いたのだ。

問題の箇所は、まさに、鈴木が長年一人で守り続けてきた、あの基幹システムの心臓部だった。

彼自身が「砦」と呼ぶ、複雑で、誰にも全容を理解できない領域。


マネージャーの佐藤理恵は、顔面蒼白になりながら、チームで二番目に詳しいはずの高橋健太に声をかけた。

「高橋くん、お願い、見てくれる?」

「…はい!」

高橋は、以前の引継ぎ資料を手に、問題のコードに挑んだ。

だが、まるで迷宮だった。

資料に書かれていない、無数の「その場しのぎ」の修正や、鈴木の頭の中にしかない「暗黙のルール」が、網の目のように張り巡らされている。

手を出せば出すほど、事態は悪化していく気がした。


クライアントからの催促の電話が鳴り響く。

高橋は、冷や汗をかきながら、ただモニターの前で立ち尽くすしかなかった。

チーム全体が、機能不全に陥っていた。

たった一人の「巨匠」が不在という、それだけの理由で。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

たった一人のベテランが不在というだけで、チームが機能不全に…。

恐ろしい状況です。

高橋たちは、この危機を乗り越えられるのでしょうか。続きは、また明日の更新で!

ーーーーーーーーーーーーーー

この物語の公式サイトを立ち上げました。

公式サイトでは、各話の更新と同時に、少しだけ大きな文字サイズで物語を掲載しています。

「なろうの文字は少し小さいな」と感じる方は、こちらが読みやすいかもしれません。

今後は、キャラクター紹介や、作中のITシステムの解説なども充実させていく予定ですので、お楽しみに!

▼公式サイトはこちら

https://www.yasashiisekai.net

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