埋もれた“アイデア” 第2話:匿名の“アイデア・ガーデン”
素晴らしいアイデアを思いつくも、「どうせ無理だ」と提案を諦めてしまった高橋。
この状況を、解決する糸口はあるのでしょうか。
その週の月曜日の朝。
会社の全メンバーに、『ワンチーム』から新しいお知らせが届いた。
『本日より、新しい社内プラットフォーム「アイデア・ガーデン」をリリースします』
説明を読むと、それは、誰でも自由にアイデアを投稿できる、新しい提案システムらしかった。
だが、一点だけ、他の会社にはない特徴があった。
「アイデア・ガーデンは、全ての投稿が“匿名”で行われます。小さな改善案から、世界を変えるビジネスの種まで、あなたの『想いの種』を、気軽に植えてみてください」
高橋は、その「匿名」という言葉に、心が動いた。
正式な提案のように、上司の顔色をうかがう必要はない。否定されても、自分が傷つくことはない。
それなら…。
彼は、週末に書きためていた自分のアイデアを、少しだけ体裁を整えて、「アイデア・ガーデン」に投稿してみた。
ボタンを押すと、自分のアイデアが、名もなき「一本の若木」として、プラットフォーム上に植えられた。
ホッとすると同時に、他にもたくさんの若木が植えられているのが見える。
皆、同じように、声に出せなかった想いを、ここに託しているのかもしれない。
高橋は、それだけで、少しだけ気持ちが軽くなるのを感じた。
お読みいただき、ありがとうございます!
「匿名」という、たった一つの優しさ。
『ワンチーム』が用意した新しいプラットフォームは、高橋の心を動かせるでしょうか。
そして、彼のアイデアの行方は?
次回、このエピソードもついに完結です。
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