単純作業からの“解放” 第3話:“仕事”を創る仕事
『ワンチーム』の助言を受け、自らの退屈な仕事を「自動化」するという、新しいプロジェクトに挑むことになった高橋。
彼は、やりがいを取り戻せるのでしょうか。エピソード「単純作業からの“解放”」、完結編です。
「…僕が、この退屈な仕事を、終わらせるためのプロジェクト、ですか?」
佐藤から新しいプロジェクトを提案された高橋は、最初、きょとんとしていた。
だが、その意味を理解するにつれて、彼の目に、失われていたはずの輝きがみるみる戻ってきた。
「やります!ぜひ、やらせてください!」
その日からの高橋は、以前のような活気を取り戻した。
彼は、『ワンチーム』が作ったドラフトスクリプトを元に、どうすればもっと効率的に、もっと安定的に自動化できるかを、夢中になって模索し始めた。
それは、誰かから与えられた作業ではない。
自らの手で、未来の「楽」を創り出す、創造的な仕事だった。
一週間後。
高橋の作った自動化プログラムは、完璧に稼働し始めた。
毎朝、彼がしていた報告書の作成は、寸分の狂いもなく自動で生成される。
面倒なデータ移行も、プログラムが深夜のうちに終わらせてくれる。
高橋は、単なる作業者から、その自動化プロセスを管理・改善する「オーナー」へと役割を変えたのだ。
そして、その翌週。
「佐藤さん、ちょっといいですか」
高橋が、興奮した様子で佐藤の元へやってきた。
「自動化したレポートのデータを、改めて分析してみたんです。
そしたら、システムのパフォーマンスに、ある一定の周期でボトルネックが生まれていることがわかりました。
これを改善するための、新しい企画を考えてみたんですが…!」
その姿を見て、佐藤は確信した。
『ワンチーム』が自動化したのは、単なる作業ではなかった。
一人の優秀な社員の「やる気」を、そして、彼が自ら新しい“仕事”を創り出すという「未来」を、見事に解放してみせたのだ。
部下が再び輝きを取り戻したことに、佐藤は心からの温かい喜びを感じていた。
案外、世界は、こんな風に優しさでできているのかもしれない。
エピソード「単純作業からの“解放”」、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
本当の効率化とは、人を機械のように使うことではなく、人を“人でしかできない仕事”へと導くことなのかもしれませんね。
さて、次に彼らを待つ課題は「部署間の対立」です。
また明日から、新しいお話が始まりますので、お楽しみに!
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