表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
案外、世界は優しさでできている  作者: かつを
第一部 IT企業編
14/119

沈黙の“壁” 第2話:賢い“弟子入り”

全く進まない、ベテランの鈴木さんからの知識継承。

マネージャーの佐藤も、高橋も、完全に手詰まりです。

この状況を、解決する糸口はあるのでしょうか。

高橋と鈴木の間に割り当てられた「知識継承」のタスクが、数日間まったく進捗していないことを、『ワンチーム』が見逃すはずはなかった。

ある日の午後、マネージャーである佐藤のPCに、『ワンチーム』からプライベートな通知が届いた。


『インサイト:「知識継承」タスクが進捗停止しています。

原因として、継承すべき知識が体系化されておらず、双方にとって負担が大きいことが考えられます』


続けて、こう表示された。


『提案:鈴木様の過去5年間の作業ログを分析し、「知識継承カリキュラム案」をドラフトとして作成しました。

ご確認の上、佐藤様から鈴木様へ「議論の叩き台」としてご提案いただくことで、鈴木様の心理的負担を軽減できる可能性があります』


佐藤は、添付されていたカリキュラム案を見て、その的確さに目を見張った。

週ごとのテーマから、具体的なトピックまで、完璧に体系化されている。

彼女はすぐに鈴木を会議室に呼んだ。


「鈴木さん、先日の件、丸投げしてしまってごめんなさい。

教える側も大変ですよね。

それで、叩き台として、こんなカリキュラムを考えてみたんですが、どうでしょうか。

これに沿って、少しずつお話を聞かせていただけると、すごく助かります」


鈴木は、ぶっきらぼうな顔で資料に目を通したが、その表情が少しずつ和らいでいく。

これなら、自分が一から考える必要はない。

自分の知識を、ただ話せばいいだけだ。

何より、マネージャーが自分のためにここまで準備してくれた、という事実が、彼の職人としてのプライドを心地よくくすぐった。


「…ふん。お前がそこまで言うなら、やってやるか」


鈴木は、少しだけ口角を上げて、そう答えた。

お読みいただき、ありがとうございます!

今回もまた、『ワンチーム』が驚くべき提案をしてくれました。

ベテランのプライドを尊重し、教えられる側ではなく「教える側」をサポートする。

なんとも優しい一手ですね。

次回、このエピソードもついに完結です。

ーーーーーーーーーーーーーー

この物語の公式サイトを立ち上げました。

公式サイトでは、各話の更新と同時に、少しだけ大きな文字サイズで物語を掲載しています。

「なろうの文字は少し小さいな」と感じる方は、こちらが読みやすいかもしれません。


今後は、キャラクター紹介や、作中のITシステムの解説なども充実させていく予定ですので、お楽しみに!


▼公式サイトはこちら

https://www.yasashiisekai.net/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ