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004◾️学校生活の始まり

飲み会が終わって次の月曜日


実夏は休み時間のたびに、自身の席が男性陣に囲まれていた

チャイムと同時に悠真も実夏の席にダッシュを決めた


「なー、実夏実夏」

「あ、先越された」

「今俺が実夏と話してたのに」


チャイムから3秒ほどでここまで会話が進んでしまう


実夏はあっという間に6〜7人に囲まれてしまった。

そして気がつく。

というより見える。

女子のクラスメイトの白い目。

冷たい視線で、実夏を見てる


こんな白々しく見られてたまったものではない。

が、男性たちが気がついていない…

こんな風になるのを

さりぃ、みうは心配そうに眺めていた。


アイちゃんに関しては、大声で

そんなに囲ったら実夏が困るでしょうと

教室の端から大声で注意する。


しかし、状況は変わらなかった。

3日も続く状況に対し、

仕方なく男子に接近禁止令を出した。


が、男性陣の視線が実夏から離れなかった


歩くたびについてくる視線

チカが、実夏に舌打ちを続けた


チカはわざと男性陣と話をして、

男子が実夏に見惚れるたびに

実夏にしか聞こえない嫌がらせの舌打ちやため息を

廊下でこっそり続けた。


アイちゃんは、実夏の力になろうと

男性陣に近づいて仲良くしながら、

実夏が困りそうな時は

注意喚起をし続けてくれたが…


男性たちのこびりつくような視線が

とっても取り切ることは出来なかった


クラス女子と仲良くなる前に、

とんでもなく嫉妬妬みで嫌われてしまった事に

どうして良いか分からない実夏


あんなに注意して男子と話さないように決めて飲み会参加しようとしたし、

その後も極力短く話をとどめた


学校ではぶりっ子してないし

しらっとしているはずだが、

先に女子たちから嫌われてしまうなんて。


専門学校入って数日で四面楚歌のようになってしまった


あまりのアホさ加減に

さりぃは、男性陣が見惚れた時に

男子の頭を教科書で殴っていた。


接近禁止令だけでなく、見るの禁止令までだした。

それでも、まだ見惚れるから

仕方なく叩いてくれていた。


どうにもならない環境。

専門は小さいので3年間みんな同じクラスなのだ。

こんな、スタートやり直したい。

むしろ、ありのままの自分でいたい。

普通に。みんなと同じく。


どうしても上手くできなかった。

手遅れだと感じた。



————————————

余談だがギフテッドの、影響について少し話したい。


実夏はオールラウンダー型のギフテッド

1秒あればクラス全員の視線の意味を理解できた

全員の表情や小声のやり取りまで、

手に取るように分かってしまった。


この能力があるからこそ、

みんなの表情を一瞬で汲み取る事ができたのかもしれない。白い目線はあまりに大量で怖かった。

空気ではなく一人一人の表情が、実夏の目に焼き付いてしまったのだ。


そんな実夏だから、飲み会の少人数のやり取りは、

横並びでもよく分かったし、転がすなんて余裕だったのかもしれない。

その時は、自分がギフテッドだということを、

自分で知らなかったのだった。

どうしても人と違う。


昔からそうだった。

何しても誰よりもできた。

運動も勉強も。音楽も、芸術も、成績優秀だった。

だが、女子のギフテッドはその能力を隠してしまう事が多いらしい。

実夏もそうだ。

わざとできないふりをしたし、わざと授業中寝て、置いていかれるように努力した。


そんな実夏は中学2年から成績が下がり始め、普通とは違えど、優秀ではなくなった。


専門学校卒業間近で驚きの現実を知った。

中学の先生が高校の先生にギフテッドであることを連携しており。同様に高校の先生からも、専門の先生にギフテッドであることを連携されていたのだ。


実夏がギフテッドである事が、当人の生きづらさに繋がりかねない。

学校中で一部の先生に静観してもらっていたのである。それは専門学校卒業前に、専門の担任から直接聞いたのだ。

ギフテッドの授業が行われたのである。



話が逸れたが、

故に授業はスローモーションに聞こえるし、とても、苦痛だった。

しかし、それは自分のやる気のなさのせいかと感じた。と、同時に簡単すぎる授業に意味を見出せず、勉強する意味もよく分からなかった。


医療関係の専門なので、実習に行けば答えが目の前にあるのに、

専門用語の勉強から始める簡単すぎる当たり前しか話さない授業が退屈だったので拷問だった。

よって、高校と同様にほぼ寝てるふりをして1年間過ごした。

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