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自立


男に頼りたい。専業主婦は私の長年の夢の一つだ。野望といってもいいかもしれない。なぜなら私の人生には無縁の職業だからだ。


大学受験予備校生時代、とても尊敬する予備校の先生に「お嫁さんになる」なんてことを夢にするなと言われた。私の子供の頃は、女の子に将来の夢を尋ねると、ケーキ屋さんなどの職業とは別に「お嫁さん」という答えが根強く、お姫様、白馬の王子様の世界がふんだんに繰り広げられていた。


先生(いわ)く、世の中の大半の人間がすることを夢に掲げるなということである。十八の私はいたく感動したものだ。


私は自立志向が強かった。高校三年間、学校でバイトは禁止されていたが、内緒で働き貯めたお金でイギリスに留学した。人に頼るのが苦手だ。一人で何でもやる。電球を変えることから、家電の配線はなんのその、パソコンの問題もたいてい解決できる。車の運転もうまい。ジャムの瓶も開けられる。


人生うまくできたもので、そういうところには働かない夫がやってくる。だから結婚しても働き続け、離婚してからは子供二人を養うために死に物狂いで働いた。


結局高校でアルバイトを始めてから働き詰めで自立してきた。だから今になって男に頼りたいと思うようになったのだろう。ババアは疲れているのだ。人生に後悔はひとつもないが、今は少し路線変更をしたくなってきた。ジャムの瓶を誰かに開けてもらいたい。


ただ、二人の人間がともに人生を歩んでいく時には、お互いが経済的にも精神的にも自立していることが重要だと思う。どちらかがこけた時に、もう一方が助ける。「病める時も健やかなる時も」だ。そうやってお互いが助け合っていくには、両方が自立していることが必要だ。


男女平等だとか、夫婦は対等だという論点ではない。長い人生、調子の悪い時もあるだろう。愛する人と困難を乗り越えられるように、自立した人間であったほうがいいということだ。愛する人のためならきっと何でもできる。


若い娘さんたち、自立しなさい。一人で凛として立っていられるようになさい。依存しっぱなし、依存されっぱなしの関係を続けるのは難しい。一人で生きられない人間が、二人で生きられるはずがない。


互いに自立した人間として、尊敬し、尊重し合う関係を築きなさい。そのためにはまず自分を大事にしなさい。彼氏も夫も誰もあなたを幸せにはできない。あなたはあなたしか大切にしてやれないんだよ。



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