出会い
アムステルダムの街をオランダ人の友人と散策した。住宅街の中にある広場は昔、社交場だったそうだ。SNSどころか携帯電話もない時代、若い男女はここに集って恋の相手を探したり、出会ったりしたそうだ。
友人の90歳の両親は、70年前にここで出会って、今でも一緒に暮らしている。結婚前、2ブロックしか離れていないところに住んでいたそうだ。昔、子供に読んでやったバーバパパとバーバママの話を思い出す。バーバパパはバーバママを探しに旅に出たけど見つからず、家に帰ったら庭にバーバママがいたという話だ。私の記憶が正しければそういう話だった。
若い娘さんたち、あなたの運命の人はあなたの家の庭にいるよと言っているのではない。ご近所さんだよというのでもない。身近にいるというのでもない。探すことはないよということだ。
彼氏が欲しいけど出会いがないと嘆いたり、気の進まない合コンに行ったり、婚活パーティーに出会い系アプリにサイトに・・・楽しいのならok、楽しみなさい。
でも探して見つかるものではないのよ。出会う人には出会う、出会わない人には出会わない。嫌な人でも好きな人でも、あなたに必要な人は必ず現れる。安心して。
ある高い山の絶壁に一輪の花が咲いている。岩場から伸びた花はただ咲いている。人が到達できる場所ではない。誰も花の存在を知らない。花は「私、咲きましたよ!ここで咲いていますよ!」とは言わない。
花はただ咲いている。それでもどこからか蝶が飛んでくる。花はただ咲いている。蝶はその花に止まる。花はただ咲いているだけ。
娘さん、ただ美しい花でありなさい。