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待つ


私は恐ろしくせっかちだ。自動ドアの開閉を遅いと感じ、バスを待てなくて歩く。


しかし好きな人を待っている時は苛立たない。


信号が青になって大勢の人が歩き出す。大勢の中に私の好きな人がいる。こんなにもたくさんの人がいるのに私はただ一人の人と繋がっている。


カフェで待つ。次々に客が入ってくるが、一人だけが私に向かってやってくる。私の愛する人が私に微笑みかける。この瞬間が好きだから待つのが楽しい。少し早めに行って待つ時間を楽しんだりする。


返事が遅いとイライラ待っている娘たちがたくさんいるだろう。電話に出ないとか、既読にならないとか、既読スルーだとか。通知音で慌てて携帯を見るが彼からではない。あなたにあなたの都合があるように彼には彼の都合がある。が、落胆する。この時にも携帯を眺めてため息をついているかもしれない。よくわかる。


若い娘さんたち、この繰り返しになったら気を付けて。待つのを楽しめなくなったら注意信号だ。


会ってない時も好きな人を思うのは楽しい。やけに他人に優しくできたりする。あたしゃこんな人間だったのかと自分に驚くこともある。


しか~し、もし彼の返信を待って精神状態がよろしくないのなら、ちょっと落ち着いて深呼吸。苦しいのは愛じゃない。本当の愛が苦しいはずがない。苦しいのは執着だからだ。執着は人を苦しめる。愛と執着は違う。深呼吸して自分が彼を愛しているのか、彼に執着しているのか自分によく聞いてみて。


執着なら手放しなさい。苦しいのは彼のせいじゃない。自分で苦しみを握っているだけなのだから手放しなさい。


四六時中彼のことを考えるのも結構だが、辛くなってはいけない。もっと自分に優しくしよう。かく言う私も待っている。当てのない返信をずっとずっと待っている。人生は想像よりはるかに深い。



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