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彼女

作者: 初夏の風


『彼をその手で殺さなくて良いのか』


「なぜ?彼女は帰ってこないのに」




『あなたは復讐を望まないのか』


「私にただの殺人鬼になれと云うのか?」





『あなたにはその権利がある』


「復讐をしたところで、彼女は生き返らない」





復讐を遂げたとしても私は救われない


ただ、今はただ哀しみが強くて、彼女がいない現実がただとても辛くて自分の体の半分が無くなったみたいで、平衡感覚が取れない


けれどそれは当たり前のことだ、彼女を愛していたのだから自然な感情なのだ。

それなのにどうしてこの感情を、彼女を愛している私のこの哀しみを他のもので汚してしまって良いだろう。


「誰にも汚させはしない、私は自分の手で復讐を遂げることは望まない」




人生にはあまりにも絶望が多い、

彼女を殺した彼がいつか改心し、過去の過ちを悔いるとき

彼が誰かに愛情を抱き、正しく生きたいと心から望むようになったとき、正しくなりたいと、清くなりたいと真っ当な人生を歩みたいと望めば望むほどに彼は苦しむことになる。


「彼には二度と平安はない、

彼が背負うはずだった苦悩をどうして私が解放してやらねばならないのか。」


彼が改心しないからと言って、それが私にとってなんだというのか


ただただ私は彼女を愛していて

彼女がいないこの現実と向き合うのが辛くて

彼女の面影を感じさせるこの空間が、痛いほどに切ないのだ


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