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サイド:宇宙コロニー軍②バード小隊

 ――バード小隊のミーティング開始までまもなく。

 エセルは少し緊張しながら、室内へ入った。

 そこには既に先刻自室に来たイヴァがおり、こちらに向かって手を振っていた。


「やぁエセル君。こちらに座りなよ!」


 イヴァに促されるまま、近くの席に腰をおろす。周囲を見渡せば、他に二人の人物がいた。一人は茶髪に碧眼のたれ目が印象的な青年、もう一人が薄水色の髪に翠眼の若い女性だった。

 青年の方が前へ出て、三人に対して声を発した。


「えー……改めて。オレがバード小隊の隊長に就任した、ナフム・サリンジャー大尉だ。よろしく。といっても……まだお互いを知らないから、自己紹介を頼む」


「じゃあ、ボクからでいいかな! ボクはイヴァ・ラトウィッジ、階級は少尉。よろしくね?」


 イヴァに続き、若い女性が声を発した。


「コホン、では。私はローズマリー・ロバーツ少尉です。……マリーとお呼びください。どうかこれからよろしくお願いいたします」


 静かな口調と振る舞いのマリーと、明るい口調と振る舞いのイヴァ。


(対照的な二人だな……)


「おや? 次はエセル君! 君の番じゃないかな?」


 イヴァに声をかけられ、自分の世界から意識を戻す。


「あ、えと。どうも、エセルバート・ダスティン少尉です。よろしくお願いします」


 短く自己紹介を終えるエセル。その様子を見て、イヴァが茶化すように口を開く。


「エセル君、いくらなんでも短すぎないかい? 目の下のクマも凄いし、色男が台無しだよ?」


「……色男云々はともかくとして、必要外の情報をお話するか否かの自由はあるはずです」


「つれないな~マリーちゃん? そんなにダメかい?」


 二人のペースに、飲まれそうになる。だが、それを制止したのは隊長であるナフムだった。


「まぁ、焦ることはない。これからチームとして動くのだから。それじゃあ、早速ミーティングを始める。資料を見てくれ」


 各自が持つ端末に資料が転送されてきた。それを見て、エセルが思わず声を漏らす。


「……火星連合軍の先鋭部隊?」


「そうだ、エセル少尉。どうやら向こうでも、我々の部隊のような存在がいるらしいと確認できた。……考えることは同じ、とも言えるが」


(なるほどな……。確か、火星とはこの件が起こる前まで、いや、今でも交流があるし、外交として関係を構築していたはずだ。技術面ではほぼ同じはず……?)


 ナフムが話を続ける。その声色からは感情が読み取れなかった。


「部隊の名称などは不明だが……おそらく、こちらと同じくアニマロイドを利用していると考えられる。――覚悟してほしい」

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