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歌え、うたえ

作者: 塩濆け幾等

歌え 歌え

笑いながら歌え

どうしようもないことならば

笑ってごまかして歌え


歌え 歌え

もっとたくさんで歌え

きっとたくさんいれば大丈夫だと思って

願って寄せ合いながら歌え


歌え 歌え

大きな声で歌え

泣きながらでも笑いながらでもいいから

大きく響くように歌え


謳え 謳え

その人生を謳え

思い出さなくても考えなくてもいいから

迷って悩んで謳って歌え


唄え 唄え

細々と唄え

かすれ声でも切れるような声でも

叶うよう唱えるよう小さく唄え


うたえ うたえ

ひとりだけでうたえ

声に出しても出さなくてもいいから

祈るよう見るよう心の中でうたえ


笑って泣いて苦しんで考えて

ひとり ひとりで ほんとう をうたえ


絞り出すように歌わなくていい。


そんな人生は嫌だから。

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