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私は読書がしたいだけ!~本読みスローライフがしたかっただけなのになんでこんなことに?~  作者: ラッテ・カフェ
第二章「気づいたら最強になんてこと…あるんです」
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7.また少女がやって来た

 ハルとクレセが決闘したその日からクレセはこの屋敷に住むことになった。クレセは主に鍛錬をこなすほかに、ルビィやサフィ達メイド妖精の仕事も手伝っていた。

そして空いた時間で読書をするという生活を送り始めた。



 クレセが来て早3日。ハルとショコラはいつもと同じように図書館で読書をしていたが、いつもと違うのはクレセがいることである。最も、クレセは本を読むと言うより、ハルの観察のためにそこに来ていたが。



 只今、クレセはハルの隣に座り、ずっとハルの方を見ていた。その視線が鬱陶しくて仕方が無いハルはクレセに言った。

 「…………あのね、クレセ」

 「何だ?」

 「邪魔って言葉知ってる?」

 「? あたいは別に騒いだりして……」

 「視線がうるさいの!」

ハルはクレセに向かってそう言ったが、クレセはキョトンとしたまま更に返した。

 「でもまぁ敵をよく知るには観察からって言うじゃないか」

 「あ、やっぱり目的はそれか……」

 「勝つまで挑み続けるからな!」

そう好戦的な発言をしたクレセをハルは苦笑しながら見る。しかし、流石に目線に耐えきれないのか、ハルは少し移動した。

 そしてしばらくの間はその視線を気にしないように読書をしていたが、本から少しだけ顔を出して、クレセの方を確認するとまだこちらの方を見ており、ハルは溜息をついた。



 そんなクレセの視線をそらすため、ハルはクレセに遠くから提案する。

 「クレセ、観察するのもいいけど剣術に関する本も読むのもいいわよ」

 「あるのか!?」

 「もちろんよ」

ハルはそう言い、案内してクレセに1冊の本を取り、先程の位置に座った。

クレセもクレセでその本を手に取り、読み始めた。

ようやく、これで集中して読書できると思ったが、たまにクレセが観察するようにチラ見してくるので、ハルは諦めたように溜息をついた。



 しばらくは図書館にいる全員で本を読んでいたが、突然ルビィが申し訳なさそうに入ってきた。

 「あの……読書中すみません、ハル様、ショコラ様、お客様が来ました」

 「え?」

 「どういう事だ?」

 2人とも少し怪訝な顔をしながらルビィに聞く。

 「さぁ……ただ不審な人物では無さそうなので今、応接室に通しております」

 「そうか案内してくれ、ハル、行くぞ」

 「はーい、ごめんクレセちょっと離れるわ」

 「いってらっしゃーい」



 応接室には栗色の長い髪をウェーブにし、エルフ族特有のとんがった耳をした1人の少女が不安そうに座っていた。顔は今にも泣きそうで、目には涙がたまっていた。

その様子を見たショコラとハルは即座に下座に座り、少女の方に向いて、優しく聞いた。

 「あの……どうしたんですか?」

 「突然すみません……今ちょっと人捜しをしてまして……」

事情が重いなと思い2人は意識して続きを聞く。

 「3日前からその人はいなくなってて……リディルの方でも聞き込みをしたんですが……皆様見てないと言うことで」

 「ところで……その方の名前や特徴は覚えてますか?」

 「はい、黒髪を短く揃えていて、赤色の目、そして名前はクレセといいます」

 その言葉を聞いた途端、ショコラは顔を手で覆い、ハルは下を向いた。その様子にその少女は慌てて聞いた。

 「どうしたんですか!? 急に俯いたりして」

 「その……クレセって言ったよな」

 「はい、そうですが……」

 「心当たりがあるので少しだけ待ってくれませんか?」

 「本当ですか!」

ショコラは応接室から出て、すぐに待機しているルビィに言った。

 「図書館からクレセを呼んでくれないか?」

 「畏まりました」



 ショコラがルビィにクレセを呼ぶように指示してから数分後、不思議そうな表情をしたクレセが応接室に来た。

 ルビィが扉を開け、入ると栗色の少女はすぐにクレセを見るなり、突っかかった。



 「ちょっと、クレセ! あなたいつまでここにいるつもりなの!? 心配できちゃったじゃない!」

 「レイラ!? 何でここに?」

どうやら栗色の少女はレイラという名前のようだ。レイラとクレセはまたもや口論になる。



 「この強風が起こった記事見て、急に飛び出して早10日! いなくなったあんたを探すのにどれだけ苦労したか分かってんの!?」

 「レイラこそ、あたいがここに来るまでどれほど時間がかかったのか分かってんのか!?」

 「確かに見つけるのに時間はかかるけど、だからってこの屋敷に居座るに必要ある!?」

 「うるさいな! 強風の原因も見つけたし、私はここでやる事が出来たんだよ!」

 「だからって迷惑でしょうが!」

ますますヒートアップする口論にショコラもルビィも口が挟めなかったが、唯一応接室のソファに座ってたハルが冷静に言った。



 「あのー、この屋敷部屋は大量にありますし、別に1人2人増えたところでどうって事無いですよ」

 「え……しかしでも迷惑では?」

 「いいえ、ちっとも。クレセはメイドであるルビィやサフィの仕事も手伝っておりますし、また鍛錬も欠かさない真面目な子です。こちらとしては読書の邪魔をしなければかまわないので」

 「……そうですか」

少し考えたレイラだがすぐに笑顔になり言った。



 「分かりました! 私もここに住みます! 申し遅れましたが、私レイラといいます」

 「よろしく、私はハルだよ」

こうしてここの屋敷にまた1人住民が増えることになった。

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