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私は読書がしたいだけ!~本読みスローライフがしたかっただけなのになんでこんなことに?~  作者: ラッテ・カフェ
第六章「モンスターハントもスローライフの一環?」
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26.バーベキューは欲と欲のぶつかり合い

 少し不安げなショコラをよそにハル達はバーベキューの準備をする。ハルは疲れていたため、簡単な作業だけをしていたが、一緒に戦っていたセレネがまだ体力が残っており、モンスターの解体や畑の収穫をこなしていた。ハルはそんなセレナを見て(……やっぱり凄いわ)と心の底から尊敬していた。



 「あれ? キャベツって植えていたの?」

 「はい。ショコラ様が整地してくれまして」

 「いつの間に……」

 「ショコラ様の魔力のおかげで早く育つんですよ」

 「……魔法ってホントに何でもありねぇ……」

 「レイラ様の薬の恩恵もありますし」

 「ホント薬のことになると、プロだわ、彼女……」

 いつの間にか新しい野菜を植えていたらしく、ハルは驚く。しかしそれ以上にこれを成し遂げるショコラの方を見るが、ショコラはまだ何か考えていたようだ。



 「……? と言うことはアイツが近くにいるって事か? いやまぁ気のせいだと信じたいが……」

 「ショコラさーん、どうしたんです? さっきから何か困りごとでも?」

 「いや、こっちの話だが……どうした? 何か手伝いたいことでもあるか?」

 「はい。火をおこして欲しいってルビィが」

 「分かったすぐ行く」

ショコラは考えることを一旦やめ、ルビィたちの方に向かう。そこでは網や木炭の準備が出来ており、後は火を熾すだけだった。



 「ハル様、モンスターの解体はだいたい終了しました」

 「セレネ、ありがとう。凄いわよアナタ。あんなに激しく戦った後でも解体作業できるなんて……」

 「まぁ、一人で全て熟していた身としては当然ですから。それに解体の知識をハル様が教えてくれたおかげですから。こちらこそ、ありがとうございます」

 「いえいえ、そんな大げさ……」

ハルは頭を下げたセレネに両手を振りながら謙遜する。その後、ハルはサフィ達と共に食器やお釜の中のご飯を取りに行ったりして、準備の手伝いを続けていた。



 「よーし、じゃあ早速焼いていくぞ」

 「おー!」

 「待ってましたー!」

 「じゃあまずはこのホーンラビットからな」

火も大分燃えそろそろ頃合いとみたショコラが先程のモンスターを焼いていく。焼いている間にどんどんと焼き色がついていき、少女たちの食欲を刺激した。そして焼き上がると同時に3人が食らいついたのだ。



 「この肉が一番美味しそうだな! あたいがもーらい!」

 「こら! あの大樹を倒したのは私よ! 私が貰うべきでしょうが!」

 「おい! 火起こしとか焼いたのは私だぞ!? 私が食べるべきだろうが!」

 「浅ましい……」

 「皆さん戦いで疲れてますからね……」

 「だからってこうなります?」

 「……醜い争い……」

ホーンラビットのお肉の争奪戦がハル、ショコラ、そしてクレセの3人で始まっており、全員焼き網の近くですったもんだの争いを繰り広げていた。そして、その様子を他の5人が呆れながら見ていたのだ。



 「あの3人、戦いに夢中で気づいてないし、私達で食べません?」

 「無理ね。まず近づけないわ」

 「……とりあえず焦げますから別のお皿に避難させときましょうか」

 「セレネ、アナタは優しいのね……」

 「一緒に戦ったよしみですからかね……」

 「……あの巨大モンスター相手に戦って疲れてるのに元気ねぇ……」

 「それは言えてる」

未だ金網近くで喧嘩をする3人をセレネが上手いこと避け、5人分の食事を取り分ける。5人は食べながら、3人の醜い争いを呆れ半分おかしさ半分で見続けた。



 「よっしゃ! 勝ったぜ!」

 「恐るべし……食欲」

 「クッソ、いけると思ったのに……」

 「さーて、早速…ってない! ここにあったあたいのお肉は!?」

 「ここに分けてありますよ、全く……」 

この激戦を制したクレセだが、金網には次の肉や野菜が焼かれていることにがっかりするも近くのテーブルに置かれてあるのを見て安堵し、早速齧りつく。一間置いてハルとショコラもようやくそれにありつけた。



 「いやー、美味しいなこれ」

 「冷めても固くならないからな! 寧ろ美味しさが倍増してるよ。それにルビィ達特製のソースがきいている!」

 「これ、ご飯が恋しくなる! ルビィ、ご飯どこ!?」

 「あ、あたいも欲しい!」

 「2人とも落ち着いてください、こちらに用意してありますよ」

 「そうですよ、ハル様、クレセ様、今セレネさんがニードルホークスのお肉を焼いていますからたくさんありますよ?」

 「……2人とも野菜もちゃんと食べてね」

 「はーい!」

 もはや、子供のように食べまくる2人とそんな2人の面倒を見る親という構図になりながらも、2人はもりもり食べる。畑特製の野菜は焼くだけでもかなり甘みが増して、ソース無しでも美味しく頂けた。そして、ニードルホークスの肉は、臭みを抜いてあったのか匂いも無く、柔らかく肉汁も溢れ、見ているこちらの食欲もそそる程美味だった。

 楽しいバーベキューも終わり、一同は片付けをして、屋敷の中に戻った。今日は朝から大変だったが、心から皆楽しかったと思った。



 そして、そこから数日後。ハルは図書館で再びモンスター図鑑を読んでいた。そこでショコラに声をかける。

 「ショコラさーん、モンスターの魚って……」

 「もうお前はいい加減にしろ!」

ハルの飽くなき好奇心……いや、食欲にショコラは呆れていた。



 しかし、2人はまだ知らない。このモンスター暴走騒動は新たな騒動を生むことを……

 

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