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その91 魔王城本城改善計画案その4

 未だに温泉施設に耽ってる階層の主達に、現実に戻って貰うべく、パチンと景気良く手を鳴らしてやった。

 ハッと気付いた連中は、どこか気恥ずかしそうにし、咳払いを一つ拵えて、静かに私の方へと視線を向けて来た。


 まぁ、耽ってしまうのは大目に見てやるが、反応すらしなくなった暁には、平手打ちでもしてやらないとな。


 そんなことはさておき、改善案について語らねばな。


「では、六階層の死霊の住処だが、基本的に今まで通りで構わないが、一部の魔の者が近寄れないでいる」


 右腕の様に小心者の連中も少なからずいる為、そこらのイメージ払拭をしない限り、六階層はずっと孤立してしまう。

 私の理想はそれらの境界線を消し、皆が平等で平和的に過ごす事のみ。


「何でまずは、全体的にカビ臭くて陰気臭い全体のイメージを、徹底的に改善する必要がある」

「で、ですが新魔王様! イフリート殿と同様に、我ら系統の魔の者が生き辛くなってしまいます!」

「そこらは問題ない」


 主な改善案としては、六階層全体に照明を設置する事から始まる。

 次は無駄に視界不良になる霧を、空気清浄機でも稼働させて、綺麗さっぱりさせる。

 そうすれば、右腕みたいな小心者連中も、多少は六階層へと赴き易くなる。


 デュラハン共に然程影響が出ない範囲でするつもりだが、もし困窮してしまった暁には、それなりに対応させて貰うつもりだ。


 で、裏事情である暗黒マーケットを規模拡大し、まるで縁日の様な、思わず足を運びたくなる内装改善も視野に入れている。

 毎日が縁日気分を味わえる場所なんて、人間界でも滅多ないから、そういった場を知らないであろう魔の者達は絶対に気にいる筈だ。



 一通り改善案を聞き終えたデュラハンは、ない首を必死に傾げるように悩み続け、ようやく決断がついたようだった。


「新魔王様の改善案を受け入れます。ただ、一つだけ条件を付けさせて下さい」

「何だ」

「ほ、骨美との愛の巣を作ることです! ぴゃっ」


 真剣な空気を放ってると思えば、心底どうでも良い条件じゃないか。

 別にそこらの色恋沙汰事情に関しては、勝手にやってくれってもんだから、適当に了承してやった。


「あ、ありがとうございます! 今行くよ! マイハニー!」


 気持ち悪い程にハートを出しまくるデュラハンは、軽やかなステップで魔王広場を出で行った。

 改善案を受け入れるなら愛でも何でも育んで、好き勝手暮らせば良いさ。



 さぁ、次は七階層のサキュバスハーレムだが、以前インキュバスを取り込んだ改善をしろと、言ってある。


 でも強いて言うなら、魔王城から離れた本物のサキュバス共を連れ戻せれば、活気はもっと溢れる筈だ。

 ただ、オス共を食らいつくしたサキュバスには、魔王城本城へ戻るメリットが微塵もない以上、連れ戻す事は叶わないだろう。

 

 魔女の魔術教室でも開けばいいんじゃないかと、雑な改善案を口にし掛けた時、私の頭にピカッと妙案が閃いたのだった。 

 もしこの妙案が現実となれば、サキュバス共がホイホイと戻って来るに違いない。

 いざ、妙案を魔女に告げ、実現可能かどうかを判断して貰うぞ。


「では、七階層のサキュバスハーレムについてだが、オークを勧誘しつつ、魔王城を離れたサキュバス共に戻って貰う事にする」

「お、オークですか……はわわわ……」


 オークと聞いた途端に、魔女の顔色が青ざめ始めたぞ、どうしたんだ。

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