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その90 魔王城本城改善計画案その3

 我が妹にチャーミングな一面に、悶えて早数分。

 そっと私だけの大事なメモリーに刻み、何とか気持ちを切り返した。

 嫌な事や不快な事があれば、逐一思い出していこう、ふふ。


「さて、五階層のインフェルノだが、イフリートの馬鹿がいない為、勝手決めさせて貰う」


 火元が無いから魔王広場へと来れないという理由は、私にとっては都合の良いいい訳にしか聞こえない。


 つまり、この場にいないイフリートが後々何か言ってこようが、私は一切聞く耳を持たずに対処するつもりだ。

 この機に火元以外の場所でも活動できるよう、どっかで修行すればいいのだが、私が言わない限りやらなさそうだな。

 まったく……もし私に手間を掛けさせるのならば、その代償は高くつくからな。


「あのー……新魔王様? どうかしたのかしら?」

「ん? ただ考え事をしていただけだ」

「は、はぁ」


 魔女に指摘されなかったら、イフリートの修行内容を綿密に企てるところだった。

 修行内容は後日改めるとして、今は改善計画案を告げる仕事に専念せねば。


「では、インフェルノの改善計画案だが、需要がそこまでない溶岩プールを、ここの魔王広場程度までに範囲縮小する事にする」

「あの……それだとイフリートさん達の、行動範囲が限れるんじゃ……」


 アラクネママの言葉に一理あるが、今までのインフェルノは無駄に広大すぎるんだ。

 あんな代り映えのしない、一面溶岩景色なんぞ、初見でも一分もしない内に飽きるもんだ。


 それに炎耐性の無い連中にとっては、ただの手持ち無沙汰に過ぎない場所だ。

 そんな無駄を省き、他の魔の者にも需要のある場にするのが、私の役目なんだ。


 多少行動範囲が狭まったどころで、死ぬわけではいだろうし、そもそもインフェルノの連中が何を行ってこようと、意見を聞き入れる気はない。


「ママ。イフリートが来ないのが悪いんだ。無理に肩入れする必要はない」

「そ、そうですか……口を挟んですみません……」

「気にするな。では話を続けるぞ」


 範囲縮小したインフェルノは今後、温泉施設として稼働する事にした。


 以前、風呂代わりに女王スライムに、あれやこれやと全身くまなく綺麗にして貰ったが、到底風呂と呼べるものでなかったのは確かな事。

 だからこそ、この私にとって都合の良い機会に、インフェルノを温泉施設へと改善する訳なんだ。


 勿論理由はそれだけではない。

 インフェルノは丁度五階層という、中間層に当たるんだ。

 つまり、上の階層と下の階層の連中が、平等に行き来する事ができる、ナイスな立地という事だ。



 ただの温泉施設だけでは、いずれ飽きがくるだろうから、サウナエリアや砂風呂、岩盤浴などのバリエーション豊かなものを随時追加していく予定だ。


 これらの改善計画案を拝聴していた残りの階層の主達は、ポワポワと温泉施設の妄想に耽っていた。


 反論する気が微塵も感じないし、インフェルノは温泉施設へと改善する事に決定だな。


 さて、次の六階層の改善計画案にいくとしよう。

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