その89 魔王城本城改善計画案その2
さぁ次は三階層だが、乳牛が期待の眼差しで前のめりになっていやがった。
前のめりもあってか、デカ乳がブルンブルン揺れやがって、非常に鬱陶しい。
いつの日か、スッカラカンになるまで絞り切ってやりたいが、今は話を進めよう。
「三階層のミノタウロス闘技場では、牛魔王の特濃ミルクを優勝賞品として、部下達の闘争心に火をつけ、ポテンシャルを上げてるみたいだな」
「ミノタウロスは脳筋ですので、何時如何なる時でも、戦場の最前線で赴けるよう日々、仲間同士で闘技場を介し鍛錬に精進しています」
魔王城を守る戦力なら、正直私1人で事足りることだ。
つまり、ミノタウロスが今まで生きがいとしてきた事が、すべて水の泡と化す。
それはあまりにも可哀想過ぎるから、ミノタウロスの新たなスキル向上や、持て余した闘争心を生かし、尚且つ牛魔王も納得する改善計画案を言わせて貰った。
「階層の主としては素晴らしい働きっぷりだが、血生臭い闘技場は今をもって廃止する。そしてパティシエバトル場や、デザート販売場、お菓子作り教室として今後精進しろ」
「え。な、何かの間違いでは?」
「何も間違っていない。全て真だ」
菓子作りのスキル向上、パティシエバトルによる闘争心解消、牛魔王の特濃ミルクを消費。
そして、甘味を魔の者へ提供することで、皆が幸せになる。
これが三階層の改善計画案になる。
「つ、作るにしても砂糖なんて高価な物は手に入りません!」
「砂糖なんぞ私が幾らでも用意してやる。貴様の特濃ミルクもじゃんじゃん消費できるだろうし、とにかく作れ」
人間の世界で安価で入手出来るだろうし、そもそも問題がない。
あとは牛魔王やミノタウロスらのモチベ次第だが、どうやら平気そうだな。
「特濃ミルクを消費出来れば、無駄な廃棄がなくなる……是非……是非ともやらせて貰います!」
ブルンブルンとわがままに乳を揺らし、魔王広場から出て行った牛魔王。
これからは甘味に困ることはないだろうと、考えただけで涎が出てしまうな、ふふ。
で、次は我が愛する妹のオートマタの番だが、ワクワクのあまりグイっと前のめりになってる。
今すぐにでも私の胸に抱いてあげたいが、今は魔王としての仕事が優先だ。
「こほん……では、次は四階層のトラップダンジョンだが……好きにしていいぞ」
「ほ、本当ですか!」
「かわええ……はっ! こほん! ゲームセンターにでも、プライベートルームにでも、何でもいいぞ」
我が妹はトラップの制作や制御がメインの仕事だが、もはや不必要になってしまったからな。
だからせめてもの計らいとして、妹には何ものにも縛られずに、これからを過ごして欲しいと思い、この改善計画案を告げたんだ。
そして妹の反応は上々と言っていい程に、目を眩いばかりに輝かせていた。
「ありがとうお姉ちゃん! 行くよモモちゃん!」
《ガガガ! 仰せのままに!》
機械魔獣の背に乗りながら、私に手を振って去った我が妹よ。
あまりのも可愛いお姉ちゃん呼びに、私は悶えるしかなかったぞ。




