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その87 階層の主達集合

 残り5分を切ったが、未だにイフリートの奴は姿を見せずにいる。


 よく人間の世界では、5分前行動を目安としてる連中が仰山いやがる。

 遅刻するよりかはだいぶマシではあるが、心配のあまり30分前や1時間前に来る連中も、少なからずいるもんだから、逆に迷惑してるのもまた事実だ。


 それ程までに時間という概念は、私にとって重要なものなんだ。

 常に私の時間に合わせられない連中は、私の人生にとっては不要な存在も同然。


 だからと言って、存在抹消とまではいかないが、奈落の底へと未来永劫まで封印するつもりでいる。


 まぁ、今回は多少遅れても大目に見ることにするが、1秒遅れるごとに制裁のレベルが上がる事にしてやるか、ふふ。



 制裁内容を色々と考えていると、デュラハンが肩を叩き何か言いたげだった。


「新魔王様、我がイフリート殿を迎えに行きましょうか?」

「アイツを甘やかすな。猶予自体は1時間あったんだ。遅れる奴が悪いだけだ」


 一階層のゴブリンキングでさえ、余裕で間に合っているんだ。

 ここで甘やかそうものなら、関わった連中に制裁を与える。


 空気を察したデュラハンは、身を引きながら両手を上げ、何故か降伏していた。

 全く何がしたいのか分からんが、このまま放置しておいても問題ないだろう。



 そんな中、精霊王の方から思念が送られ、何か言ってきやがった。


《あ、勇者様? 何かサラマンダーちゃんから、一方的な神託があったんですけど……火元がないんでイフリート様が魔王広場に行けませんって、何の事ですか?》


「何? その話本当か?」


《勇者様に嘘付かないですよ。で、何事なんですか?》



 イフリートの奴め、火元がないとここまで来れないと、魔王城見学の際に何故に言わなかったんだ。

 これでは二体もの欠員がでてしまい、魔王としても示しがつかない。


《あのー勇者様? 聞こえてますか? おーい》


「まだ思念を送ってやがったのか。用が済んだなら、これ以上邪魔するな」


《は、はい! 失礼します!》



 鬱陶しい声が消えたはいいが、これ以上イフリートの奴を待っていても、仕方がないって事か。


 丁度時間切れにもなり、もはやこの連中で話し合いをしなければならないと、腑に落ちない中で玉座へと腰を下ろした。



 私が腰を下ろしたことで階層の主が即座に跪き、右腕の奴もちゃっかり私の隣に立ちやがったので、本題に入らせて貰った。


「訳アリで全員は集まらなかったが、これより魔王城本城改善計画案を告げる。右腕、今すぐに円卓を用意しろ」

「円卓でしたら、左の肘置きの側面に円卓ボタンがあるんで、押してみて下さい」

「左の肘置きの側面……なんか沢山ボタンがあるな」

「テーブルマークのヤツです」


 それっぽいボタンを見つけ、適当に押してみると、広場中央の床がゆっくりと変形し始め、円卓と椅子が出現した。

 やはり円卓があるのと無いのとじゃ、雰囲気はまるっきり違うな、ふふ。

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