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その76 青オーガの女と柔軟ストレッチ

 私の込み上げる怒りが伝わるのか、オーガはガクブルと震え、子犬も同然だった。

 だが、そんな姿を見せたところで、私の怒りが消えることはない。


 握り締めた拳を構え、狙いを定めた時、オーガの背後から、青オーガの女が近付いていた。


「何だい何だい? うちの弟が失礼な事でもしちゃったかい?」

「いで?! あ、姉貴……いきなり殴んなよ……」

「貴様ら姉弟なのか?」

「あぁそうさ。アンタ、相当な手練れだろ? 身体付きに立ち姿が、他の魔人と別もんだって一目で分かったよ」


 ほぅ、この青オーガの女は、ちゃんと見定められる目を持っているようだな。

 お陰で気分が晴れて、赤オーガの事はどうでも良くなった。


「青女も中々に鍛え上げられた肉体だな。雄がウハウハ寄って来るんじゃないか?」

「……残念ながら、色恋沙汰ってのに無縁なんだ」

「な、なんかすまん」

「いや、気にしないでくれ。それよりも、柔軟ストレッチを済ませるぞ」


 既に右腕とクソオーガが、仲睦まじくストレッチをしてやがった。

 どの道アイツらと一緒にストレッチはしないと決めてたからな、正直どうでもいい。


 青オーガの女も、アイツらに視線を向けることなく、私の正面に立って手を差し伸べていた。


 お互いに背を合わせた状態で腕を組み合い、そのまま青オーガの女が私を持ち上げた。

 身体が気持ち良く伸びて、ストレスがじんわりと解消されていくのを感じるぞ。


 今度は私が持ち上げる番になり、こちらも軽々しく青オーガの女を持ち上げてやった。


「おぉ! やっぱ見掛け以上だね、アンタ! こんな軽々しく持ち上げられるなんて、女じゃ久々だ!」

「ふん、私に不可能など存在しない」

「アハハ! そいつは頼れるな!」


 青オーガの女と相性が良いのか、ストレスフリーで接する事ができるぞ。

 それに比べて右腕ときたら、クソオーガの下敷きになって助けを求めてやがった。


 勿論、無視以外の選択はないし、引き続き青オーガの女と柔軟ストレッチを気持ち良くやらせて貰った。




 で、丁度終わる頃合い、ムキムキ男が口元に手を添え、深く息を吸い込んでいた。


「みんなー! 柔軟体操は終わったかなー? うんうん! 終わってそうだから、隣とぶつからない範囲を十分にとって、綺麗に並んでね!」


 無駄に馬鹿でかい声に従い、間隔を開け始めた参加者達。

 私も仕方がなくルールに則り、適切な間隔を確保したが、右腕が隣なのが気に食わない。



 ムキムキ男がざっと確認し終え、再度深呼吸をしやがったので、流石に耳を軽く塞いだ。


「みんなー! 今日は美ボディーエクササイズ体験会に来てくれて、有難う! 先生のヘカトンケイルです! よろしくね!」


 パチパチと惜しみない拍手を、暑苦しい笑みで存分に受け取り、やる気がさっきより増していた。


 しかし、美ボディーエクササイズを体験する以前に、私は既に美ボディーだ。

 やる気はあまりないが、どんなものかぐらいは実際に体験してやろう。

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