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その2 魔王の後継者

 プライドを捨てた魔王は、床に頭をこすりつけ、私に懇願した。

 薄くなってる頭頂部も丸見えだ。

 年季の入った毛根もあと数年で消えるだろうな。 


 しかしながら……玉座からの眺めは案外悪くない、座り心地はまぁまぁだな。


 さて、魔王の薄毛も見飽きたし、面を上げて貰うか。

  

「で、そこまでして戦いたくない理由(わけ)はなんなんだ」

「ワシ、魔王を引退して隠居生活したいの」

「貴様が隠居だと。意味が分からん」

「と、とりあえず聞いて。でも肝心の魔王後継者がいないんだわ」

「ほぅ。つまり、貴様を討てば終わるのか。願ってもない」

「剣抜かないで頂戴!?」


 チッ……何時になれば、この魔王もどきを討てるんだ。

 いい加減全力を開放したくなってきたぞ。


「ふ、ふぅ……正確に言えば後継者候補はいるっちゃいる」

「なら、そいつらもまとめてだな」

「つ、続けます。で、候補はワシの娘二人と、長女の旦那さんの3人ね」


 娘を2人も拵えた母親は、このハゲのどこを好いたのか聞きたくなってきた。 


「長女はワシを加齢臭だの、じじいだのと聞く耳すら持たれん」

「この広間の異臭は貴様の匂いだったのか。私の嗅覚が正常で良かった」

「ぐふ……こ、心が折れそう……」


 老人魔王のメンタルブレイクなんぞ、どうでもいい。

 要点だけまとめて、ちゃっちゃと済ませてほしい。

  

「だ、旦那の方も後継者話になると、のらりくらりと逃げ続けてる訳!」

「面倒なだけだろ。まぁ、それ以前に信頼関係がないからだな」

「げは! ……こ、心が切り刻まれている……」


 どうやら、この魔王っぽいのは一人芝居がお好きなようだ。

  

「じ、次女はまだ幼いし? 可愛いし? あまり後継者にしたくないのが本音」

「過保護すぎてキモイ」

「仕方がないじゃん! 長女みたいに嫌われたくないもん!」


 そんなんだから長女からより一層嫌われるんだろうな。

 次女に媚び諂う姿が鮮明に浮かんで、哀れみしかない。

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