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サブタイトルつけるのめんどくさくなってきました……
「いやぁ、しかし、あの皇太子殿下が婚約者にゾッコンとは予想外でしたわ。もちろんいい意味ですよ?」
「意外でしょ〜!?兄上はどうしても冷徹なイメージがあるからね〜」
「別に、す、す……きとかそういうんじゃないんだ。それに私たちは政略結婚だ、相手に感情なんて感じるわけないだろう」
腕を組んでそっぽを向くルイスに、私は微笑んで問いかける。
「別に、政略結婚だからと言って相手を愛してはいけないなんてことはありませんわ。むしろ、愛のある夫婦の方が幸せではありませんか?」
「や、やはりそうだよな!愛のある夫婦の方が帝国も安泰だよな」
「チョロいですわ、兄上」
「うん、チョロいよ兄上」
双子の皇女は同時に頷いた。
それにしても、皇太子がシャルロットに好意を寄せているとは、意外だ。
(どうしよう、全力でイジりたい……!!!)
「皇太子殿下っ!?」
「ぅぉっ!?」
私があまりにもいきなり大声を出したからか、皇太子殿下はつまんでいたティーカップを軽く震わせながら驚いてしまった。
でもそんなことはお構い無し。
「殿下!私、殿下の恋路を全力で応援いたしますわ!」
アリシアは胸に左手をあてながら身を乗り出した。
「あ、あぁ……それは嬉しいな……!」
「珍しく兄上が押されていますねぇ」
「アリシアちゃん強いねぇ〜!」
私は“恋愛”というものに強い憧れがある。
前世で恋愛を禁止されていたからだと思う。
―「社長の息子くんがお前との結婚を真剣に考えたいそうだ」
「なんのこと?」
「何をとぼけているんだ。お前と社長の息子くんは許嫁じゃないか」
「はい?」
知らなかった。自分に許嫁がいたなんて。
だから恋愛が禁止されていたのだとこの時初めて分かった。
この翌日、私はこの世界に来た。
恋愛が禁止されていたことも、自分に婚約者がいたことも気にしてない。
ただ。
ただ、この日初めて自分が疲れていることに気付いたのだ。
自分を取り繕い過ぎていることに初めて気づいて、なんだかとても苦しくなった。
……嫌なことを思い出してしまったわ。
「私、前世で恋愛に関して色々あって。だから応援したいのです」
アリシアは落ち着いて座り直した。
「ほぅ……ジャバウォック公爵令嬢にも色々あったのだな」
「まぁ、皇太子殿下をからかいたいですしね」
「おい」
ルイスは苦笑いしながら「では、私はどうすればいいのか」と教えを乞うた。
「まずは、皇太子殿下が“デキる”ところを見せつけるのです」
「アリシアちゃん、具体的にどんなところを見せつけるの〜?」
「そうですね、確か今度シャルロットと皇太子殿下が二人で魔法を特訓するとか。その時にデキる殿下が魔法を素早く習得し、シャルロットに教えて差し上げるのです。そうすれば……」
「すれば……?」
ルイスは腕を組み、頭の中でシチュエーションを想像しながら耳を傾ける。
「兄上が格好よく見えるわけね。考えたわね、アリシア」
「おぉ!」と、ルイスとホワイトリリィが感嘆の声を漏らした。
「でもそれって、兄上がある程度魔法を使えることが前提だよね〜?」
「その通りですわ。皇太子殿下、この後ご予定は?」
「特にないが――」
そう言いかけた後、まさか……という顔でこちらを向く。
「そのまさかです、“短期集中型!特別魔法特訓”の始まりですわ〜!」
立ちながら両手を上にあげ、楽しそうに宣言するアリシアを見て、ルイスは顔をひきつらせる。
彼は内心、彼女のアップダウンの激しいテンションについていけないと思っているからだ。
イジられるのが怖いというのが一番の理由だろうけど。
ひきつり顔のルイスを見て、ゲラゲラ笑うホワイトリリィと無言の笑みを浮かべるローズマリー。
二人が「がんばれー」と言って部屋を去ろうとすると、
「何を言っているのです?お二人にも、皇太子殿下に教えていただきますよ」
「「え?」」
この後、ルイス・ラ・レイヴン・シルスマリアは、三人の天才により魔法の英才教育を施されるのだった。
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