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200文字小説集 vol.2

約束の甲子園(200文字小説)

作者: 日下部良介

 野球部だった僕は好きな子と約束をした。

「僕が甲子園に連れて行ってやるよ。そしたら付き合ってくれ」

「行けたらね」

「本当か?」

「約束よ」


 秋の地方大会が始まった。僕の活躍でチームは優勝。

 そして、見事に春の選抜大会の切符を手に入れた。

「やったぞ! 付き合ってくれ」

「まだ甲子園に行ってないわ」

 素っ気なく言う彼女。でも、時間の問題だった。

 そんな時に新型のウイルスが蔓延した。


 開催中止…。


「残念ね。夏までお預けね」





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