↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/8

母のせいで仲たがいするのは許しません

まず初めにフィオナとファリスの関係を何とかしよう。

そう考えた私は彼らの従姉弟という立場を使い、屋敷に入り浸り、二人と大分仲良くなった。

そしてある日、フィオナがファリスを責める場面を目撃した私は彼女が一人になった所を見計らい彼女に話しかけた。


「フィオナ。あんな言い方よくないわ。叔母様が亡くなったのはファリスのせいじゃない」

「っあなたに何が分かるの!?お母様の事なんか知らないくせに!!」


彼女は案の定私に対して怒りを向けた。


予想通りの反応だわ…

いかにして()の気持ちを伝えるかここからは腕の見せ所ね。


「…そうね。確かに私には分からないわ。叔母様の事だってよく知らない。でもあんな風にファリスを責めるのは間違っているのはわかるの。だってどんな母親でも自分の可愛い子ども達には仲良くしてほしいに決まってるもの。姉弟といっても人間だし仲が悪くなることもあると思う。でもその理由が自分のせいだってわかって悲しまない母親がいると思う?きっと叔母様は悲しんでいるに違いないわ」


私の言葉にフィオナはハッとした様だ。


「フィオナ…あなたが母親を失ってつらいのは分かるわ。その気持ちをファリスにぶつけてしまうのも。…ねえ、その気持ちを彼だけにぶつけるのをやめて私に少しでもいいから話してくれないかな?今のまま一人で抱え込んで彼に当たってしまうよりも、私に少しでも話してくれた方がずっといいと思うの。フィオナだって本当はこのままじゃいけないってわかってるんだよね」


彼女は小さく頷いてくれた。


「…本当は分かっていたの。ファリスのせいじゃないって。でも、辛くて誰にも言えなくて、ダメだって分かっていても弟にその気持ちをぶつけてしまった。…ファリスだってお母様が亡くなって悲しいのは同じなのに。…ありがとうリジー。これからは一人で抱え込まないであなたに言うわ。あなたと話しているとなんだか心が落ち着くの。…私よりもずっと小さいのに不思議ね」


そう言ってフィオナは笑ってくれた。


ああ…泣かせてしまったわ…でもこれでフィオナは大丈夫そうね。

よかった…。後はファリスの方だわ。


私は息子の姿を探した。

そして庭の隅でしゃがんで花を見ているファリスを見つけた。


ファリスを見つけた私は彼に声を掛け、先程のやり取りを見ていた事、そしてあなたのせいじゃないという事を伝えた。


「…ありがとうリジー。でも姉様の言った事は正しいよ。僕のせいで母様は亡くなったんだ…。僕を産むために無理をして体を壊したんだ…」


そう言って彼はうつむいてしまった。


ああ、あなたまでそんな辛そうな顔をして…

悪いのは私よ。あなた達を残して死んでしまった私のせい…


「いいえ、それは違うわ。確かに叔母様は無理をしたかもしれない。でもそうまでしてファリスに会いたかったのよ。それなのに息子が自分のせいで辛い思いをしていると知ったら叔母様はきっと悲しむはずよ。叔母様が体調を崩すようになったのも、亡くなってしまったのも全て結果論よ。あなたのせいじゃない。だからもう自分を責めないで…天国のお母様はきっと悲しんでらっしゃるわ」


だから自分を責めるのはこれっきりにしましょう?

そう声を掛けると彼は頷いてくれた。


「…ありがとう。もう自分を責めるのはやめにする。母様はいつも僕達の事を気にかけてくれていたんだ。そんな優しい母様をもう悲しませたくないから…。ありがとう、リジー。君は不思議だね…僕より年下なのに君と話しているとまるで母様と話している気分になるよ…」


そう言って泣きながらも微笑んでくれた。


…よかった。これでファリスの方も大丈夫でしょう。


私が死んでしまったばっかりに愛する子ども達の仲が悪くなってしまったのは悲しかったが、もう心配はないはずだ。後は二人に任せよう。もしこの先辛い事があってもその時は私が相談に乗ればいい。


フィオナとファリスの問題は大方片付いた。

となれば…次はヒロインね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。