ベッコベコに凹んでも変わらない
今回も短いです。
どうして、すぐに気付かなかったのかと、自分でも思う。
仲が良かった奴等とか知り合いばっか優先して気付くのが遅くなってた。
「姉ちゃん!! あの人達、今日は朝から来てくれたんだぞ!?」
俺の葬式で見た、姉ちゃんと同じ学校の制服を着た人達は姉ちゃんの友達だったらしい。凹む姉ちゃんが心配で面識ねぇ弟の葬式に来るよーな優しい人達を無視とか、何やってんだよ。
最初は冗談半分に、素敵でカッコいい弟様の偉大さが分かった訳だな。とか言えていたけど……マジでヤバい。
何でそんなベッコベコに凹んでんだよ。姉ちゃんは、そんなキャラじゃねぇだろ。
いつまで、そんな事しているつもりだよ。そんな事しても現実は変わんねぇーだろ。そんな事……いつもなら、とっくの昔に気付くだろーが! のっバーカ!
「辛気臭せぇんだよ!! キノコ栽培でも始める気かよ!! のっバーカ!!」
叫んでも届かない。
朝なのに暗い部屋で布団に潜り込んで出ようとはしない。
生きていた時と立場が逆になるとか本気で笑えねぇ!!
「あ~も!! やっさしい弟様が謝ってくるから! 戻ってくる前に起きとけよな!! のっバーカ!!」
今から追いかけて、姉ちゃんの友達に俺が謝っても……届かない。そんな事、とっくの昔に思い知ってる。
誰にも届かない。ただの自己満足。だから何だよ! 残っている時間をどう使うかなんて俺の勝手だ。
それでも、感謝するって言うなら……その前に凹むのを止めろよ。
姉ちゃんがベッコベコに凹んでも、嬉しくない。楽しくない。
だから。
……だから……姉ちゃんまで、違う世界を見る必要なんて無い。……無いんだよ、のっバッカ。