来てくれた人達
短いです。
葬式には、顔も名前も覚えていないような親戚。学校の先生、仲が良かった奴等とか色々と来てくれた。中には姉ちゃんと同じ学校の制服を着た人達までいて、少し驚いた。
ついでだから、言いたい事を言いたい奴等に勝手に話かけていく。 読経中はずっと座ったまま動かないから、言いたい事が中途半端にならなくて助かる。
読経とか面倒くせぇと思っていたけど意外に便利だったんだな。
「あ~お前、見て思い出した。入院中に渡されたプリント、サボってた。今の内に先生に謝っとくか」
生真面目な学級委員長を見て、すっかり忘れていた事を思い出した。思い出した以上は謝っとくしかねぇーよな。
49日なんて中途半端な時間しかねぇんだから。
「お前も悪かったな、委員長」
プリント集めで迷惑をかけていた奴の葬式に来るなんて本当に生真面目な奴だよなぁ。
委員長の握り締められた手が震えているのに気付かないふりをして、先生が座っていた方向へと視線を動かす。
「……ん?」
黒で統一された服装は喪服としては間違ってねぇと思う。顔も名前も覚えていない親戚の一人……だよな? 何か……っと、焼香か。先生が帰る前に謝んねぇーと。