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目が覚めたら幼女

小説初投稿です!誤字脱字などご指摘していただけるとありがたいです(*´∀`)

 

 生きる意味って何だろう、幸せってなんだろう。

 前の私は、そんなことばかり考えていた。毎日がただ退屈で、目標何てものはなくて、そんな私が生きてる意味ってないよなあ、でも死ぬのは痛いから嫌だな。そんな退屈な人間だった。




「ほら、おきて。」

 お母さんの声と共に部屋のカーテンが開かれる。薄暗かった部屋がいきなり明るくなった。まだ真新し畳に子供じみたキャラクターの布団、襖の向こうに見えるリビングではお父さんがコーヒーを飲んで笑ってる。


 まだ寝ていたいと、寝ぼけた頭でひっしに手を動かし布団を体に巻き付ける。だけどそんな私の抵抗空しく布団を剥ぎ取られる。恨みがましく見つめるも、そんなのどこ吹く風で布団を片づけられてしまう。


「おはよー、朝ご飯出来てるから顔と歯洗ってらっしゃい~。」

「おはよー…、はぁーい。」

 まだ寝てたかったのに…。しぶしぶ体を起こして、洗面所へと向かった。だけど畳と違って冷たいフローリングの廊下は寒くって素足じゃ歩けない。お行儀悪くもパジャマの裾を踏んで行く。はあ、ついこの間までは冷たくて気持ちいいくらいだったのに、どんどん寒くなってくなあ。


「ははは、おはよう。寝坊助だなあ。」

「違うし、もーおはよー」


 お父さんはいつものようにからかってくる。けど正直お母さんとの布団戦争に疲れてるからさらっと流していく。


 洗面所についたら、用意された踏み台にのって顔を水でぱしゃぱしゃと洗う。そして濡れた顔をタオルで拭いたら歯磨きだ。洗面台にある私専用の歯ブラシは、ピンクでアニメキャラがプリントされた、いかにもなお子様用歯ブラシ。


 それに甘い歯磨き粉つけて歯を磨く私は、どっからどう見ても5歳児だけど中身は中学2年女子。見た目は子供、中身もまあ子供っていう微妙なやつ。


 って言ってもあの某名探偵みたいに気が付いたら体が幼くなってたわけじゃなくて、ただ気がついたら知らない女の子になってただけ。いやそれ「ただ」じゃないか。


 目が覚めたら5歳児なんて漫画かよって感じだけど、最初は夢だと思っていた。


 というか、夢だったのだ。


 こうなる少し前まで結構頻繁にこの子の夢を見てた。だけどいつからいつから夢じゃなくなった。体は勝手に動くし、声は自分のじゃないし、五感も視覚以外ほとんどなかったし、何よりこの体の持ち主がちゃんといた。


 だけど、今日の夢長いな~って思ってたらこの子の意識がいつの間にか消えていた。


 最初気づいたときはそりゃもう驚いて、幼稚園で熱出して倒れて気が付いたら病院だった。


「灯~ゆっくりしてちゃ幼稚園遅刻するよ~?」

「んー。」


 ぼんやりと考えながら磨いていたらお母さんにツッコまれてしまった。これは後2ツッコミでガチギレに変わるやつだ。そう気づいた私は少し急いで口をゆすいだ。


 リビングに戻って席につくと最初お母さんが言ってた通り朝ご飯が用意してあった。目玉焼きとウインナー、それからちょこっとサラダとご飯。朝の定番メニュだ。私はこれが大好きで、にんまり笑って手を合わせた。箸も皿ももちろん可愛いお子様使用。


「いただきまーす。」

「はい、召し上がれ~。」

「灯~飯は逃げないんだから、よく噛んで食べろよ~」

「んー。」


 言われなくたって味わって食べるもんね。今日はまずは目玉焼きから手をつけることにした。


 私の大好きな半熟目玉焼きをご飯の上にほいっと乗っけて、気味に少し切れ目を入れる。


 そんで醤油をぱっと二周させたら一口サイズ、ううん大口サイズに卵とご飯を箸でつかんでぱくっと食べる。そしたら口にとろっとした黄身とぷりぷりの白身が醤油とご飯と混ざってうんまいのだ!


 大口で食べたそれをそれはそれはよく噛んで飲み込めば、思わず笑顔になってしまう。


「灯はほんとおいしそうに食べるな~」

「ん!まかせて!」


 卵焼きご飯を大口食べたら次はウインナー。これははお子様セットについてるような赤くて柔らかいウインナーじゃない。パリッと音のなる少し大人のウインナーだ。


 スパイシーで私にはちょっと辛いけど、卵焼きご飯と食べると辛さが少し和らいで、丁度良い辛さになる。お次のサラダはキャベツとキュウリ。水水しくて、シャクシャクの触感か楽しいし何より苦くない!素敵なお野菜。よく噛みながらも夢中で食べ進めてたらアッというまに完食。


「ごちそーさまでした!」

「あはは、おっともうこんな時間か、じゃあ俺はそろそろ行ってくるよ」

「行ってらっしゃい。」

「いってらっしゃーい。」


 お父さんは少し慌てたように、飲みかけのコーヒーを飲んで立ちあがた。そして「行ってきます」と言って私の頭を撫でて出て行った。


「さて、灯もそろそろお着換えしよっか!」

「はぁーい。」

 着替えっていっても私服にスモッグ着るだけ、楽だからすぐ終わる。パパッと着替えて後靴下履くだけってなったら、お母さんは「ちょっとごみ捨てに行ってくるね。」とバタバタと外に出て行った。


 なんか幸せだなあ。

 最初は二人に対してギクシャクしちゃって心配をかけちゃったけど、今はもうすっかりあの子のフリが板についた。


 両親の仲良いし、優しいし、お母さんは毎日ご飯を用意してくれてるし、それがまた美味しい。お父さんはよく遊んでくれる。この子が大切なのが伝わってくる。


 それが、今の私の日常って言うのが、何より幸せ。

 それって普通の事じゃん、て思うかもだけど、それって凄く幸せなことだと思う。少なくとも前の私じゃありえない、凄く普通なのかもだけど、凄く羨ましかった日常がここにある。


 正直、今が幸せ過ぎで元の体に戻りたいなんて微塵も思わない。でも、それでもこの体をもとの持ち主に返さなきやいけないんだろう。だけどそんな日が来なきゃいいのにと思うくらい幸せだ。


「灯~準備できた~?幼稚園いくよ~?」

「はーい。」

 そう言って笑顔で返事しながらも、どうしても考えてしまう。

 この体の本当の持ち主はどこにいったんだろう、いつ戻ってくるんだろ、分からないけど、それでも私がココにいるべきではないのは分かる。だけど、もうちょっとだけココにいさせて欲しい。


 なんて、考えたってしかたなんだけどね。




 この子の体を動かせるようになった初日に出したあの熱は実は「亜種化」という病気らしい。


 熱と一緒に記憶障害も起こるらしく、私の挙動不審な態度を両親が変に思わなかったのもそのおかげだった。


 そして亜種化という病気は、熱と共に記憶の一部を失うなどの障害が起きるのと魔法のような超能力に目覚めるのが特徴らしく、最近18才以下の子供によく発症する。


 そして今それにかかった子供達は能力の制御が上手くできなくて人を傷つけてしまうからトクベツな学校に入れるのか決まりとなっている。


 それも寮有りで、敷地内に病院もある所とか、塾みたいに放課後寄って勉強する所とか色々で、最近は幼稚園にも「あ組」なんていう亜種化に罹った子専用の組がある幼稚園も増えているのだという。


 私は、病院の先生と両親が相談しているのを聞くだけでもう頭が破裂しそうだった。その後先生たちがもっと難し気な内容を話していたけれど、そんなのきこえやしない。


 そもそもって超能力やら魔法って何?ココ現代だよね?ファンタジー漫画かよ。そういや確かに前は夢だからで納得してたけど魔法使う幼稚園児いたような…?だけど今のところ超能力らしい能力なんか使えない。


 なんかよくわかんないけど、目が覚めたら、超能力者(?)になったらしいです。

ここまで読んで頂いてありがとうございました!貴重なお時間をありがとうございます(๑•̀ㅂ•́)و✧

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