表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海人!!  作者: 矢枝真稀
5/33

第五話 会長と!? その壱!!

今回は学校です。ついでに新キャラも出ます!

『大きくなったられーちゃんのお嫁さんになるー!!』『ぼくも、まきちゃんのお婿さんになるー!!』




・・・




『麻希、俺は、ずっと好きだった。だから、付き合って下さい!!』

『・・・ま、そこまで言うんなら、付き合ってア・ゲ・ル!』




・・・・・・




『私、好きな人が出来た・・・だから、ゴメン・・・』

『・・・そっか』




・・・・・・・・・




『・・・アタシ、彼氏と別れたんだ・・・』

『・・・』

『アタシね、まだ・・・』

『・・・麻希?』




・・・ん?んん?なんだコレ?




『アタシは、玲の事がっ・・・』




ジリリリリー!!!




「んん〜、ん?・・・夢か・・・」



見慣れた天井が、俺の視界に映り、隣で時間を知らせる目覚ましが、けたたましいアラームを鳴らしている。



「それにしても、変な夢だったな・・・」



久しぶりに幼なじみに逢った為だろうか、幼少から現在(昨日)までの一連の出来事が、駆け足で過ぎて行った、そんな夢。まだ未練でも残っているのだろうか?



「まさか・・・」



思った事が口から言葉になって、吐き出される。今更、麻希に恋愛感情は無い。それは昨日逢った事で感じた事だ。



じゃあ、何故?



・・・



・・・・・・



・・・・・・・・・



「・・・めんどくさい」



起きたばかりで思考回路に無理をさせる事はしない。いちいち考えていては、頭が痛くなる。

とりあえず起き上がり、いそいそと着替える。今日は生徒会執行部と鳳翔祭実行委員の合同会議がある・・・なんのことはない、単なる『今回の鳳翔祭はどんなテーマで、どんな事する?』って話し合いみたいなものだ。



「あ〜行きたくね〜!!」



と、誰もいない部屋で愚痴る。・・・なんか、虚しい。着替えを済ませ、適当にトーストと牛乳で腹を膨らまし、俺はチャリで学校へと向かうのだった。












⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒




相変わらずでかいな、うちの大学は・・・。敷地面積、約東京ドーム四つ分・・・ってうちの学長が自慢げに言ってたな。

鳳大学は、馬鹿でかい敷地にビルのように建物がいくつもあり、更にグラウンドは陸上・サッカー・野球とそれぞれある。スポーツ強化大学としては、日本でも有数の学校らしい。俺はいくつもある建物の中でも、とくにでかい建物の中に入る。

総階数12階建てのこの高い棟は、執行部と限られた生徒・講師しか入る事が許されない。



「失礼します!」



玄関から入り、専用のエレベーターから、生徒会室のある11階へ上がり、荘厳の一文字で片付ける事の出来る重そうな扉にノックし、返事があってから中へ入る。



「おはようございます、会長」

「おはよう、更科」



まだ誰も来ていなかったようで、迎えてくれたのはこの大学の生徒の代表である、鷹峰未菜たかみね・みな会長だった。



「更科、日に焼けたようだな」

「あ、先日海に行ってたので」

「そうか、海か」



・・・俺に視線を向けるでも無く、会長は外を見ている。

正直、俺は会長が苦手である。

成績は常にトップ、頭の良さもさることながら、その美貌も他の女性に比べて群を抜いている。

日本人離れしたプロポーションは、高い身長でより一層のスタイルの良さを引き立たせ、顔は正に『絵に描いたような』美しさ。

髪は少し赤みがかった艶のあるブラウンで、二重ながら切れ長の瞳は、『切れ者』を象徴するよう。全てが完璧、言葉通り『生徒代表』である。更に言えば、家柄は国内でも有数の貿易会社の社長令嬢。昔は元華族だったらしい。全てが完璧、非の打ち所の無い・・・。だからこそ、生徒は彼女に近寄る事を躊躇う、俺も例外に洩れず、その中の一人だ。



「そ、それにしても、みんな遅いですね。会議まであと5分もないですよ」

「あ〜その事なんだが、実は会議は昼からに変更 になったのだ。連絡しようにも、私は更科の電話番号を知らなくてな・・・ごめんなさい!!」

「あ、い、いえ!!」



頭を下げる会長に恐縮する俺。でもなんか、ごめんなさいって所が、彼女の性格を表しているようだ。



「更科」

「は、ハイ!」

「その、更科は、彼女とか、いるのか?」

「は?え、いや・・・いません」

「そ、そうか・・・」

「会長は、彼氏とかいないんですか?」

「い、いない・・・」



すげぇ・・・質問を返しただけで、会長の頬がピンクに染まっていく。彼氏はいなくても、きっと好きな人がいるんだろう。それにしても会長の好きな人って、どんな人だろう?



「・・・」

「・・・」



現在午前10時5分。会議開始まであと3時間近くある。やる事も無く、俺は椅子に座り、ぼーっと窓の外を見ている。いつもながら、なんの変化も無い。



「更科」

「ハイ!」

「・・・その、お腹とか、空かないか?」

「え、まぁ朝はそんなに食べてないから少し空いてる・・・かな?」

「そ、そうか。実は私も少しお腹が空いているんだが・・・その・・・」



なんか恥ずかしそうに俯きながら、モゴモゴ言ってる。



「どうかしました?」

「いや、その、だな・・・実は、ハンバーガーってヤツを食べてみたくてだな」

「え、えぇぇっ!?会長、食べた事無いんですか?」

「・・・そ、そうだ。それで、一緒にハンバーガーショップへ行って、もらえない、かな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ