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放課後。櫻凛会対面式。
これからが本番…ついに龍崎隼人と藤堂薫にご対面だ。
ここ…だよね…
指定されたのは櫻凛会用の施設。校舎の別棟で二階建て。外からも入ることができるようになっている。
初等部のメンバーは約25人。こんな広い施設いるのか疑問である。会議室。作業室(書類を作ったりする部屋。教務室のような内装で、1人1つ机、コンピュータが与えられる。)1番凄いのが休憩室。床は絨毯が敷き詰められ、天上にはシャンデリア。テーブルとソファーが置いてある。ここは…どこかのお城ですか…
今日の式が、開かれるのがこの休憩室。
式というから緊張したけど、ただ軽く自己紹介するだけで終わり。あとは茶話会だった。小学生のお菓子パーティーでこのお菓子…どれも有名店のなんですが…前世のお菓子パーティーといえば、スナック菓子や、安いチョコレート菓子にコーラ、これが定番。なのにこれはなんですか?マカロン、ラスク、クッキー、チョコ…それもどれもブランド品。すごいのは日本で売ってなくてわざわざ取り寄せたもの。飲み物は紅茶。勿論、高級なブランド品。…美味しかったです
カネモチスゴイ…
それにしても驚いた。龍崎隼人はゲームでは超俺様。でもそれは、高等部での話。
まさか、小学生1年にしてこれほど性格出来上がってるとは…
私が部屋に入った時は、式の10分前。その時もう先についていたらしい龍崎はソファーにどっかりと腰を下ろし足を組んでくつろいでいた。それもはじに座るならまだしも真ん中に…どんな神経してんだよ。親の顔みたいわ!
うん…顔はまだ幼さが残るがゲームの面影あるなぁー
黒い髪、切れ長の目、自信に満ち溢れた顔…どこからその自信来るんだよ?
っ…思はず観察していたら目があった。眼力強っ!すごい睨んでいる。『何見てんだよ、この野郎。』龍崎の心の声が聞こえた気がした。何よ、いきなり。こっちも睨んで牽制するか…いや、私大人だし…大人の対応…大人の対応…
とりあえず、にこっと微笑んで会釈した。
「ふん」龍崎は顔を背けた。
うわー、態度悪!龍崎グループ大丈夫かよ。あんなのが次期トップなんて。それに比べお兄様、にこやかに周りの人と話している。ふー、うちは安泰か。
『この幸せを守るぞ。オー!』心の中で掛け声をかけた。
無事に式は終わり解散となった。とりあえず今日のところは何もなかった。(これからも何もないことを切に願うよ。)
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今日はこのまま帰宅。迎えの車に乗り込みまっすぐ帰る。
今日は習い事はない。普段はたくさんやっている。以前からやっていた、ピアノ、バイオリン、バレー、合気道、お茶、家庭教師に加え、お受験塾をやめた分、習字と華道、スイミングスクールが加わった。1日に2つ習い事に行くこともある。それに、土日にはマナーやダンスのレッスンも受けている。金持ちの子も大変だ。
家に着くと珍しくお父様とお母様がいた。
「小百合ちゃん、学校どうだった?」
「ええ、普通でしたわ。」
「そう、櫻凛会はどう?龍崎の隼人君と藤堂の薫君とは仲良くなった?」
なるほどね…聞きたかったのはそのことか。
「いいえ。お話もしませんでしたわ。」
お母様はがっかりした様子だった。ごめんね、お母様。これからも仲良くするつもりないわ。これ以上いろいろ言われるのが嫌だったから自室へ行った。