第二章プロローグ
獣、それは強き者共の象徴
獣、それは恐ろしき者共
獣、それは狡猾で残忍
獣、それは時に群れを成す
獣、それは時に孤独
獣、それは時に悲しい者達
ただ虚しく戦い、抗い、強く生き抜こうとする
これはそんな獣の物語・・・・
―――――――
「・・・・どうするのだ!」
怒号が部屋に鳴り響く。そこには複数人の座る人影。
和風の部屋に畳、その者たちはそこに円陣を組んでいる。
「こんな・・・こんなことでは計画が進めれぬ!」
「我らの仲間もかなり少なくなった・・・。」
「しかし、同時に【獣狩り】もいなくなった。期は今しかないのだ!」
「そうだ!そうだ!」
「もう限界なのだ!いっそ華々しく散ろうではないか!」
「そうだ!」
その者たちの声には、どこか焦りを感じ、また深い希望と絶望が入り混じる声色である。
そんな中、少し離れたところに座る二人の陰。それが立ち上がる。
部屋を離れ、先ほどとは似つかない近代的なビルの廊下で立ち止まる。
その瞬間、前に立つ男は壁を殴りつけた!
「あの馬鹿共は!死ぬことしか考えてない!」
「兄さん・・・。」
「ああ、分かっている。大人達はもう駄目だ。俺達で何とかしないと・・・。」
「じゃあ、あの計画を始めるのね・・・。」
「お前は参加しなくてもい」
そう言いかけるのを遮るように女は声を上げる。
「協力させて!お願い!そのために、そのために私は頑張ったのだから。」
兄さんと呼ばれた男は苦い顔をする。
「・・・・無理はするな。お前はサポートに徹する。それが約束できるならいい。」
「・・・分かったわ。」
そうして、二人は廊下を歩いていくのだった・・・。
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「でもやっぱりさぁ!人間が一番"獣"だよねぇ!アヒャッ!」
「何言ってんですか。八裂さん。」
第二章、始まり始まり~