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30NSCを探しに

 確かにステルス・ファクトの脳であるNSCをいじくり回したりすると、どうなるか分かったもんじゃない。それに、ステルス・ファクトにはまだ秘密が隠されていると椋夜は言っていた。となると盗んだ奴次第で、この世界すらも破壊できるようになるかもしれないじゃないか!


「NSCは、どうやって探せばいいの?」


 探すといってもただ探すだけじゃ何もわからない。盗んだ犯人の顔、NSCの隠されている場所などを突き止めなければ話にならない。


「そこはお前たちの力の見せどころのとこだ。NSCが盗まれてからそんなに時間が経っていないからまだ校舎のどこかにあるはずだ。勘でもいいからそこら中をほっつき回っていてくれ!」


 ピ――――――


 最後にそう言い残してすぐさま電話を切った椋夜。

 勘か……


「は……はぁ……」


 あまりの急な出来事にビックリして言葉にならない。


「で、なんなの?」


 電話を終えた僕を見て、梨乃が訊く。

 仕方ない。まずはこの二人にNSCの説明をしてからことを進めようじゃないか。






「と、いうわけなんだ」


 梨乃と万桜にNSCのことと、それが盗まれたということを話す。


「じゃ、じゃあ決闘とか、能力とかはどうなるの?」


 梨乃が卓袱台から立ち上がり、目を見開いて驚く。


「いや、わからない」


 使えなくなるのかな? でも、NSCがしっかりと起動していれば能力は使えるわけだけど……盗んだ人は何のために使用するんだろう?


 眉間に薬指を押し付けて考えるが、何も思い浮かばない。使い道とかが分かれば、ある程度犯人を突き止められるのだが……

 僕が考えている中、ふと何かを思いついたのか万桜が手を挙げる。


「はい、万桜」


 て、別に手を上げる必要はないんだけどな……


「つまりだが、そのNSCとやらを盗んだ犯人は、同じステルス・ファクトの持ち主ということになりうるよな?」


「……ん、え?」


 そうか! 確かにそうだ。

 ステルス・ファクトを持っていないと、あの機械は盗んでも意味がない。

 この学校でステルス・ファクトを持ち構えているのは教師と生徒だけ(先生が使ったところはひとつも見たことがないが……)となると、NSCを盗んだ人はこの学校内の人であることは間違いないはずだ。


「よぉーし、ナイスだ万桜!」


 イエーイ!

 僕は万桜と笑顔で手を叩き合う。すると、梨乃が頬を膨らませて僕を睨んできた。


「ん? なに?」


「私もイエーイやりたい!」


 足をバタバタする梨乃。卓袱台で見えないが、きっと今下を覗けば梨乃の新しく履いてきたパンツとやらを大げさにお見えできるかもしれない。が、そんな事をしたら確実に怒られるどころか嫌われるので僕はやらない。


 というかイエーイやりたいって……


「万桜、イエーイしてあげて?」


「な、何故オレなんだ?」


「そんなの万桜がいいことを考えたからに決まってるでしょ? 何も考えていない僕が梨乃と手を叩いてどうするの?」


「そ、それはそうだが……」


 何が不満なのか、梨乃と万桜ともになんだかぎこちなく手を叩き合う。

 ィェーィ……

 小さなイエーイだった。


「ま、まぁとにかく、NSCが盗まれるなんてのは一大事だ。早いうちに校内に行って探そう。このままじゃステルス・ファクトが使えなくなってしまう」


「「うん」」


 梨乃、万桜二人が返事をする。


「それじゃあ、手分けして探そ――」


「まって!」


 僕の言葉を遮って梨乃が手を上げる。


「はい、梨乃!」


 だ、だから手を挙げる必要なんかないんだってば……なんなの? 今の僕はどこかの先生みたいな立場なの?


 そんなことを思いながら梨乃の意見(?)を聞く。


「私、ちゆうと探す!」


「?」


 頬を赤くしてそう言う梨乃。

 一緒に? 手分けしたほうがいいと思うのだけど……?


「えーと、手分けしたほうが効率いいんじゃない?」


「え、えと……」


 モジモジモジモジ……


 両の人差し指をくるくる回し、頬を赤くしたまま下を向く梨乃。

 あー……


「馳優」


「?」


 それを見ていた万桜は僕を自分のところまで呼び、耳に口を当てる。

 わぉ、万桜からいい匂いが? やっぱり女の子じゃないか!

 と、今はそんなのどうでもいいか……


「梨乃と一緒に行ってやれ、オレは一人で探すよ」


「え? 大丈夫なの?」


 ドドドどうしてなのかな?


「あぁ、それに、そっちは探すのにふたりの方が心強いだろ? オレは度胸だけはあるから問題ないがな」


 な、なんて頼もしい子なんでしょう。 頼もしすぎて頭を撫でてあげたいくらいだ。


「うん、分かったよ」


 万桜から離れると、途端に万桜からしたいい匂いが遠ざかる。


「それじゃあ梨乃、一緒に行こっか」


「え…………?」


 モジモジしていた指を止め、顔を上げる。

 えってなんだ、嫌だったのかな?


「えーと、嫌だったの?」


 後ろ頭を掻く。


「え、ううん嫌じゃない。唐突だったから……」


「そうか」


 まあ、いきなり気を変えられたら誰だってそうなるか。


「じゃ、みんなが来る前にさっさと探そう!」

生徒が学校に来るまではまだまだ時間がある。なんとしてもNSCを盗んだ奴がステルス・ファクトを使う前に見つけ出さないと……何が起きるかわからない。


「「おぉ~~~~!」」


 梨乃と万桜、二人で拳を上げて僕に向かって叫び、出発した。


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