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出会い

「はぁ…っはぁっ」

どんよりとした空の下、俺は傘も指さずに歩道を駆け抜けていた。隣では車が俺を追い抜かしていきながら走り去っていく。

まさかこんなに降るとは思ってもみなかったから傘なんて持っているはずがない。あいにくフードも付いていないからもう身体も髪もびしゃびしゃになっていた。

「っ…さみぃ…。」

気付けば濡れていない箇所がないくらいに濡れていて、身体は指先まで冷えきっていた。

こっから家までまだまだだな…。くっそ、こんな日にランニングなんてするんじゃなかった…。

なんて今更後悔しても遅い。最近怠けていたからたまには身体を動かさないとと思ったのにこの始末…。本当についていない…。

「…よし、行こう。」

5分くらい雨宿りをして、俺は再び雨を浴びながら走った。運動で暖まった身体に冷たい雨が降り注ぐ。なんとも不思議な感覚に襲われていた。


<キュイーン…ッ>


え…?何の音…?


俺はその音を逃さなかった。雨の音でうるさいはずの道中で、今にも消えてしまいそうな音を逃さなかった。

音がした方へとゆっくり歩み寄った。


<…タス…ケテ…ゴ…ジン…マ…>


「…なにこれ…。」

俺が目にしたのは他でもない。ロボットだった。

しかも、女の子っぽい…。

どういうことだ…?捨てられたのか…?

俺は今の状況が飲み込めないまま立ちすくんでいた。


<マ、マダ…イッ、キ…タイ…>


まだ…生きたいって…そう言ったよな…?


俺はこの子を置いていくことができなかった。何か理由があるんじゃないかとかまだ生きたい理由がたくさんあるんじゃないかって、思ってしまった。


俺はその子を抱き上げ、さっきよりも強くなり始めた雨の中走った。雨が強くなると同じように俺の走るスピードは速くなっていった。


──…待ってろよ。なんとかしてやるから…!

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