-shooting star-
よるのおと
まっくら よるのみち
まっくら ひとみのさき
おおきく きこえる
ぼくのこどう
まっくら ひとのかお
まっくら はだをなでる くうき
つよく こだまする
ぼくのあしおと
まぶたのカーテンをとじて
うかぶ いつかのぼく
いつかのきみを たぐり
おもいだす……
そのすがた
まっくろ こころのなか
まっしろ うかんだきみ
ほぐれて うたう
ぼくのこころ
ぼんやり おつきさま
うっすら いちばんぼし
よわくて つよい
みちしるべ
よるはおとをつむいでいるよ……
そしてぼくにおしえているよ
――ふらつきながらも
ぼくはたっていることを
よるはきのうをつれてくるよ
そして小さく つたえているよ
――ぼくを あしたへ
つないでくれた
かがやきを……
まっくら よるのみち
まっくら ひとみのさき
おおきく きこえる
ぼくのこどう
まっくら とじたひとみ
きらきら きみのきおく
よるは、どうやら
こわくない
ひ と み
心の波間
きらめいては消えてゆく
感情の輝き
ふたつのひとみ その鏡に
映しだしては形を結ぶ
優しさの光
纏わり付く影
凍てついた雫
滲みゆく大地……
気づけば光は埋もれゆき
なにゆえに……
今日も人は想うのだ
なにゆえに、
このひとみは時を刻むほど
愁いに霞み滲むのか――
心の隙間
降りしきっては震えゆく
雫の悲鳴
雲の切れ間
差し延べられるのは
あまりに温かい
光の手
――愁いだ心は
麗らかに謡い
温まりゆく
優しさの光――
なにゆえに……
そして人は想うのだ
なにゆえに、
愁いだ後に抱いた光に
ひとみは 涙で滲むのか――
ただ、せめて
その煌めきを
その安らぎを
宿せるように
忘れぬように……
今日もひとみを開いていよう
今日も命を紡いでいよう
以上で、『midnight moon』を終わりとさせて頂きます。
今回、この作品を手にとって頂けたこと、また最後まで読んで下さったこと感謝いたします。
では、
静かなる夜空の
湖のほとりにて
夢の船の旅が
穏やかなものでありますように……
――2011.11/27 hiro
――出典↓
◇ウ ミ ノ ウ タ……『ウ ミ ノ ウ タ』(N8471U)より。