表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
midnight moon  作者: hiro
6/7

-midnight moon-

 

   月光

 

暗いそらの水面

優艶に揺れる

月光の波紋

 

その優美なる軌跡は

人々の愁憂を

白い手で抱く――

 

ああ、あてなる

その煌めきさえ

陽光に照らされて

いるように……

 

いまを瞬く

胎動の白波は

かつて絶えた息吹の記憶に

照らされていること

 

人々が

ゆめゆめ忘れぬよう

月は今宵も

謳を託す――

 

 

理により訳された

焜耀に注ぐ

陽光の熄滅

 

その凛冽たる定めは

輪舞する命脈を

やがては無に還す――

 

ああ、清澄なる

月の旋律さえ

陽光の意思により

潰えるように……

 

いまに揺蕩う

鼓動の和音も

響きの潤いを

他者に飲み込まれている現実

 

人々が

拒絶し忘れぬように

月は今宵も

謳を託す――

 

 

流光の波間

見える夜霧を

人々が自ら纏わぬよう

 

苦悶に叫び

沈淪した魂への

鎮魂歌を

 

月は今宵も

託すのだ――

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ