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第9話:煽り厨グリットゴブと毒吐く小鬼(トキシック・ゴブリン)

Chapter Soundtrack:

The Charlie Daniels Band - "Simple Man"

(BGM: ニンジン村のボロ納屋と、ネトゲの煽り厨(トキシックプレイヤー)と化したゴブリン王グリットゴブの暴言タイムと共にどうぞ)


夕日が沈み始め、キムの服とマッチするようなオレンジ色に空を染め上げていく。空気が急激に冷え込み、村人たちは頑丈なチェーンで戸締まりを固めた。

ナブコは主厩舎の裏手にある埃っぽい道を指さした。

「そちらがお宿になります。綺麗……比較的綺麗な藁を用意しておきましたので」

「納屋」と呼ばれた場所は、実際には板切れを支離滅裂に打ち付けただけの低い小屋だった。不揃いな屋根からは緑の房——おそらく隙間に生えた苔か雑草——が覗いている。

中には湿った土、古い革、そして誰も正体を突き止めようとしない有機物の匂いが充満していた。

「どこで寝るのよ?」ウンバが怪しい膨らみだらけの地面を見つめながら尋ねる。

「寝られる場所で寝てください」ナブcoが答えた。「重なり合って寝れば三人分のスペースはあります。村の好感度レベルが10に達するまで、個別のベッドは提供できませんので」

【 現在の好感度レベル:役に立つが関わりたくない不審者 】

【 次の目標:何も炎上させずにグリットゴブの襲撃を生き延びろ 】

タラは、軍事上陸前に敵地を偵察する者の足取りで最初に中へ入った。足先で謎の物体(糞? 固まった土?)を突っつくと、一番頑丈そうな壁に背を預けて座り込み、剣を立てかけた。

アイレフは腐った干し草をひっくり返しながら隠された武器を探し始めた。「薬用酒」と書かれた空瓶の半分を見つけたが、腐食が激しすぎて中に何が入っていたのかさえ分からない。キムはまるで海賊船から深海へ投げ出されたかのように、呆然と佇んでその光景を眺めていた。

「トリクシー……今回の任務中、ここが俺たちの『家』になるのか?」

「一時的なものよ」妖精がギシギシ鳴る梁の上に腰を下ろしながら言った。「覚えておきなさい。衛生基準を素早く適応させた者だけが生存できるのよ」

突如として、屋外から甲高い音が聞こえてきた。泥を引っ掻くような足音……それに続いて、甲高い嘲笑が響き渡る。

「もっと速く走れ、役立たずども! うちの死んだババアの方がマシな走り方するぞ!」

音は草むらからではなく、古いリンゴの木の梢から聞こえてきた。小さな影が跳躍し、木製の柵の上にスタッと着地する。犬の頭蓋骨で作った兜をかぶり、針金で繋ぎ合わせたブリキの鎧を纏い、小さくも不気味に研ぎ澄まされた短剣を握りしめていた。

問題はその見た目ではない。頭上で怪しく明滅する蛍光 green の光だ。

【 エリート敵:破壊者グリットゴブ(レベル5) 】

【 称号:煽り王(キング・オブ・テイル) / 収穫物の災い 】

【 クラス:高速アサシン / プロの嫌がらせ屋 】

グリットゴブは咆哮も上げず、勝鬨の声を上げることもなかった。ただ犬の兜の位置を直し、キムを頭からつま先まで見下ろすと、甲高い声で言い放った。

「見ろよ、このクソ雑魚(ヌーブ)を! なんだそのスカートは、ゴミめ! 死ぬ前のババアにもらったのか? それともゴミ箱から拾ってきたのか? 揃いも揃ってヘタクソ(マンコ)ばかりだな。お前らみたいなのをファームするだけでこっちが恥ずかしくなるわ!」

納屋の周囲に静寂が訪れた。

キムは完全に拍子抜けしてパチパチとまばたきをした。ゴシップ誌、レーベルの役員、Twitterのアンチどもと戦ってきた彼だったが、小鬼の体に閉じ込められた十二歳児のダイレクトな煽りは、彼のプライドを直撃した。

「……は? なんて言った?」キムが言う。「坊 kernel、俺はゴールドディスクを獲得した——」

「知るかよお前のレコードなんか、この下手くそが!」

グリットゴブは言葉を遮り、両足で跳ね回りながら不快な手振りをして見せた。

「自分のカリスマ値を見てみろ、役立たず! マイナス15だぞ! 画面のシステムbotすらお前の顔を見て笑ってるわ! プレイし直してこい、ゴミめ!」

アイレフが一歩前に出て、山賊から奪った解体用ナイフを抜いたが、グリットゴブは平然としていた。

「おいおい、そっちの盗賊!」ゴブリンは短剣でアイレフを指さして叫んだ。「見ろよ、すっぽんぽんでHP残り3かよ! 一息吹きかけたら死ぬじゃねえか、クソ供給係(フィーダー)が。リサイクル品の寄せ集めパーティーかよ。魔法使いはクールダウンの計算もできないエンジョイ勢(カジュアル)だし、女剣士は人生で一度も攻略wikiのテキストを読んだことがなさそうな顔してるぜ!」

タラが歯を食いしばった。剣の柄を握る右手の拳が真っ白に変わる。

「……首を撥ねるわ」彼女は不気味なほど静かな声で言った。

「やってみろよ、クソ芋砂(キャンパー)が!」

グリットゴブは唾を吐き捨てて嘲笑った。

「こっちは回避速度+20%だ! お前らのピンクのバードは目標がフリーズしてても攻撃を外すんだろ! ニンジンは全部盗んでいくし、服は破くし、通報(レポート)される前に落ちて(ログアウトして)やるからな!」

血のような赤色で明滅する新しい画面が浮かび上がった。

【 状態異常付与:極限挑発(ヘイトプロンプト)! 】

【 効果:プライドが踏みにじられました。制御不能な怒りにより、パーティー全体の命中率 -20% 】

「トリクシー……」キムは額の血管がK-POPのリズムでドクドクと脈打つのを感じながら呟いた。「システムはデジタル未成年者に対する過剰な暴力行為を許可しているのか?」

「戦闘規約第12条によれば」トリクシーは梁の上で優雅にコーヒーをすすりながら答えた。「言語的ハラスメントは禁止されているわ。ただし、発信者が『トキシック(害悪)』タイプのNPCである場合を除く。その場合、全体ボイスチャットを起動される前に超高速で殺害することが推奨されているわ」

グリットゴブは柵を足踏みし、舌を突き出して草むらに向かって叫んだ。

「野郎ども(スクワッド)! 入れ! このエンジョイ勢(カジュアル)どもを荒らせ! 今日はファーム祭りだ!」

茂みの後ろから、空の袋と石を手にしたさらに六匹のゴブリンが躍り出てきた。ニンジンを巡る戦いが今、始まった。そしてキム・ミンジュンのプライドが危機に瀕している。

柵の上から野良サーバーの暴言を吐き続けるグリットゴブに対し、パーティーは第一波をどう対処するのか?

第9話をお読みいただきありがとうございます!

ニンジン村のボロ納屋に現れたのは、まさかの「煽り厨(トキシック)」なゴブリン王グリットゴブ! ネトゲの暴言を連発され、パーティー全体がブチギレ状態(命中率低下のデバフ)に陥ってしまいました。


今回のチャプターBGMは The Charlie Daniels Band の "Simple Man" です。重厚なカントリー・ロックのビートに乗せて、煽りゴブリンとの理不尽な防衛戦をお楽しみください。


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【第二章 Soundtrack List】

・第八話: Jerry Reed - "Amos Moses"

・第九話: The Charlie Daniels Band - "Simple Man"

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次回、煽り耐性ゼロのキム・ミンジュンが怒りの反撃!? ぜひご期待ください!


面白いと思っていただけたら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援をお願いします!


Thank you for reading Chapter 9!

Gritgob the Destructive has arrived, and he's not just a goblin—he's a toxic video game lobby troll in a dog skull helmet. Between roasting Min-jun's -15 Charisma and calling the party "feeder casuals," he's successfully applied a rage debuff to everyone.


Today's soundtrack features "Simple Man" by The Charlie Daniels Band.


If you're enjoying Min-jun's chaotic fight for survival, please consider **Bookmarking** and leaving a **5-Star Rating (★★★★★)**!


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