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第7話:資産再編とニンジン村(第一章完結)

Chapter Soundtrack:

Snoop Dogg ft. Pharrell Williams - "Drop It Like It's Hot"

(BGM: 命拾いした山賊たちを身ぐるみ剥ぎ取り、悠然と目的地へ向かう一行のウエスタン風行進曲と共にどうぞ)

街道に静寂が戻った。聞こえるのは風が草を揺らす音と、焼けた眉毛を抱えて泣き続けるセイブルの遠いすすり泣きだけだ。

ゾランは両手を挙げたまま地に膝をつき、指一本動かす気力も失っていた。フェンは弓を落とし、二本短剣のラスクはリュートで殴られた後遺症で、丸太のように仰向けで倒れたままだ。

トリクシーが、小さな顔に嘲笑を浮かべてキムの周りをパタパタと飛び回る。

「あら! 初戦闘にしては悪くなかったじゃない!」

誇らしげに鼻を鳴らす。

「死なずに経験値まで手に入ったんだから」

「ああ……まあな。盛大にすっ転んだおかげだけどな」

キムはピンクのスカートにべったりとついた泥を眺めながら呟いた。

「技術的には事故じゃないわ。押し寄せる危機に対する本能的な回避行動よ。システムも有効な回避として認定してるわ」

タラが背中の銀色の鞘にゆっくりと長剣を収めながら、敗北した山賊たちに近づいてきた。

「どうするの?」魔法使いのウンバが、傷つき打ちのめされた山賊たちを不安そうに見つめる。

「選択肢は三つよ」タラが冷徹に言った。「ここで殺すか……身ぐるみ剥ぎ取って先へ進むか……それとも……」

彼女は言葉を切り、山賊たちを一人ずつ見回した。震えるゾラン、黒い涙を流すセイブル、青ざめたフェン。

「……私たちの役に立つことをさせて、生かしてやるか」

「どれが一番経験値入るんだ?」盗賊のアイレフが尋ねる。

「殺すことね」トリクシーが即答した。

全員の視線が妖精に突き刺さる。地面にへばりついていたゾランは目を丸くし、生唾を飲み込んだ。そのゴクリという音が静かな草原に響き渡る。

「おい、ちょっと待て」キムが手を挙げて制した。「経験値稼ぎ(ファーム)のために殺すとか正気か? 俺は芸能界出身だぞ。シナロア・カルテルから来たわけじゃないんだ。労働倫理ってものを考えてくれ」

「システムはクリーンな排除に1.5倍の経験値倍率を与えるのよ」

トリクシーは小さなカップから優雅にコーヒーをすすった。

「でも安心して。罪悪感があるなら、彼らを『敵対的野生動物』として登録すれば、アルゴリズムはカルマを減らさないから」

「俺たちは家族持ちだ!」ゾランが必死の形相で嘘をついた。パーティー衣装を着た狂った神に乞うような目つきだ。「子供が三人! 歯のないおふくろもいるんだ!」

「嘘つけ。お前らの首筋にギルドの刻印があるだろ。裏市場でダガーが40%オフになるやつだ」

十前まで吐血して死にかけていたとは思えない素早さで、アイレフが屈み込んだ。そしてRPGの暗黙の了解——容赦のない略奪を即座に実行し始めた。

マント、革のポーチ、フェンが夕食用に隠していたカチカチのチーズ、セイブルが家宝だと主張する真鍮のアミュレットまで容赦なく剥ぎ取っていく。

【 戦利品獲得! 】

【 ・銅貨 45枚 】

【 ・ボロボロの革マント(防風効果 +1) 】

【 ・怪しいほど硬いヤギのチーズ 】

【 ・解体用ナイフ(品質:ゴミ) 】

「これじゃただのカツアゲだろ……!」

泥の上で下着同然の姿になったフェンが悲鳴を上げた。

「違うわ。これは『資産の再編成』だ」

キムは革のマントを羽織り、上のボロきれの胸元を隠しながら訂正した。

「感謝しろよ? うちのパーティーはお前らを経験値に変えようとしてたんだ。俺が自由貿易を主張してやったんだからな」

タラは腕を組み、冷ややかな目でその光景を眺めていたが、ゾランの足元にあったダガーを蹴り飛ばして遠ざけた。

「選択肢三ね」女剣士が言い渡す。「あのオークの木に縛り付けておくわ。日没までに狼に食べられなければ、運命が二度目のチャンスをくれたと思いなさい」

「俺のチーズは……!?」フェンが泣きつく。

「歩行時間を二分損させられた税金として没収よ」

タラは振り返りもせずに歩き出した。

樹齢数百年はあろうかというオークの木に、三人の山賊が連なって縛り付けられた。セイブルはアートメイク眉毛の修正費用について呪詛を吐き続け、目を覚ましたラスクは「K-POPのコンサートはもう終わったのか?」と尋ね、ゾランはただ空を見上げて己のキャリア選択を深刻に後悔していた。

パーティーは再び歩き始めた。キムはスカートのポケットの中でカチカチのチーズが太ももに当たるのを感じながら、不承不承先頭を歩く。

「なあ、トリクシー」キムがマントを整えながら囁いた。「この戦利品と経験値で、俺がまともなバードになるまであとどれくらいだ?」

「あと4000経験値と、灰の石鹸での入浴、それとこの一時間でお前を見た全員の選択的記憶喪失が必要ね」

妖精が隣で楽しそうに揺れる。

「でも良かったじゃない。HPは全快したし、イラクサの臭いも薄れたわよ」

「屈辱の匂いはステータスじゃ消えないんだよ……」キムはため息をついた。

地平線から太陽が照りつける中、彼らはさらに一時間歩いた。サケ川の沿岸を過ぎると泥道が広がり、木の杭と建設途中の柵に囲まれた馬車道へと変わっていく。

遠く、緩やかな丘の麓に、藁葺き屋根の集落が見えてきた。シロアリに食われた木製の看板が斜めに傾いて設置されており、赤い塗料で野菜らしきものが雑に描かれている。

【 到着:ニンジン村 】

【 区域状態:緑の厄災による包囲下(パニック度:中) 】

【 新規目標:村長と会話し、グリットゴブに対する夜間防衛契約を有効化せよ。 】

キムは道の中央でピタリと足を止め、看板と仲間たちを交互に見つめた。

第7話をお読みいただきありがとうございます! これにて第一章「異世界転生とお尻の危機編」が完結となります!

無事に(?)最初の目的地であるニンジン村へ到達したキムたち。次回からは、いよいよゴブリンの襲撃に立ち向かう第二章が始まります。


今回のチャプターBGMは Snoop Dogg ft. Pharrell Williams の "Drop It Like It's Hot" です。山賊を身ぐるみ剥ぎ取った一行の、ドヤ顔での行進と共にお楽しみください。


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第一章 公式サウンドトラック・まとめ(Chapter 1-7 Playlist)


・第1話: Redman - "Let's Get Dirty (I Can't Get in Da Club)"

・第2話: Ludacris - "Get Back"

・第3話: Too $hort - "The Ghetto"

・第4話: Lil Jon - "Snap Yo Fingers"

・第5話: Snoop Dogg feat. The Doors - "Riders on the Storm"

・第6話: Tony Touch ft. Doo Wop - "G'z Up"

・第7話: Snoop Dogg ft. Pharrell Williams - "Drop It Like It's Hot"

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第一章をお楽しみいただけましたら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援していただけると非常に励みになります!


Thank you for reading Chapter 7! This concludes Arc 1: "The Nettle Rash & The Pink Skirt"!

Min-jun and his chaotic party have finally arrived at Carrot Village. Get ready for Arc 2, where they face their first official defense mission against the goblin army.


Today's soundtrack features "Drop It Like It's Hot" by Snoop Dogg ft. Pharrell Williams—the ultimate swagger anthem for looting bandits and rolling into town.


If you enjoyed the first arc, please consider adding this story to your Bookmarks and leaving a 5-Star Rating (★★★★★)!

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