父と娘のアンチノミー
掲載日:2026/05/22
リビングでくつろいでいたら、目に涙をためた娘が駆け込んできた。
「パパっ!」
「そんなに慌ててどうしたんだ?」
「……ほんとはサンタさんなんていなくて、パパがサンタさんのフリしてるだけってほんとなの!?」
「え、いや、それは――」
「やっぱりほんとなんだ! パパのウソつき! パパなんてキライ!」
ドアを乱暴に閉め、娘は走って行ってしまった。
……そうか、まだまだ先だと思っていたけど、もうそんな時期なのか。
俺も親父に本当のことを聞いたときは混乱したっけ。
だから誤解がないようにちゃんと説明してやらないとな。
お前の父親――つまり俺の職業はサンタで、だからサンタは本当にいるし、父親がサンタってのも間違っちゃいないって。




