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春よ来い

作者: 黒楓
掲載日:2025/11/04

 それは現実だったのか?

 それとも夢の中の出来事だったのか?


 余りにも幼い頃の話で……

 記憶がハッキリとはしない。


 とにかく私は

 近所の春兄(はるにい)と一緒に

 原っぱに居た。

 原っぱには大っきな太鼓が二つと小っちゃな太鼓が三つ。

 あと、ジャ~ン! と鳴るシンバルが置かれていた。


 私達はそれらにネコの様にじゃれ付いて

 ドン! バン! ドンドコ! ジャ~ン!なんてやってみた。

 まあ、きっと

 実際はさほど音はしなかったのだろう。


 と、太鼓の一つが倒れてゴロゴロゴロと転がって……

 草むらの中で

 その白いお腹を見せた。


 すると春兄は

 思いっ切りッ助走を付けて

 その上に飛び降りた。

 ズボンッ!! って感じの音だったのか?……

 バキンッ! って木が割れる音だったのか?

 それともその両方だったのか?

 それもよくは覚えてないのだけど

 春兄と私は

 穴の開いた太鼓に片足ずつ突っ込んで

 おしくらまんじゅうをした。

 冬の風がとても冷たかったから……


 でも、おしくらまんじゅうでは私はとても春兄には勝てず

 太鼓の輪から押し出されて

 逃げ出した。


 そうして私は

 幼子の調子っ外れた声で

 童謡の『春よ来い』を叫び

 二人だけの鬼ごっこが始まった。



                          おしまい

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― 新着の感想 ―
子供の居る情景って素晴らしいですよね。 おしくらまんじゅうとか、原っぱに廃棄物が捨てられている時代の話しなんですね。 子供が子供らしく自由に遊べた時代! 拝読させてもらい、この子たちをとても羨ましく思…
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