表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

第 四 章  成瀬つぐみ先生

第 四 章


姫魂冥衣花はその日職員室で担任教師の怠慢さを追求していた

めいかはその時小学校5年生で、先生は算数の授業で三角形の内角の和は

180度だと教えた


教師は去年教育大学を出たばかり。名前は成瀬つぐみ(23才)


つぐみ先生はめいかに言った

「めいかちゃん、クラスのみんなが適当に描いた三角形の端っこを三箇所破って

 つなげてみたら直線になってたでしょ

 ということは、その三角形の内角の和は180度ってことじゃない」

めいかは言った

「99匹目のカラスが黒かったとしても、100匹目のカラスも黒いとはかぎりません」


つぐみ先生は答えた

「たしかにそうだけどクラス全員で32人やったのよ。みんな直線になった

 他のクラスでも同じことをやってるし、今の時期小学5年生は日本中で

 同じことをしてる」


「つぐみせんせいは三角形は何種類あると思っているのですか」


「直角三角形と、二等辺三角形と、それ以外だから三種類かな」


めいかはその場でふたつの直角三角形を描いた


「このふたつの直角三角形は同じではありません

 どうやってもかさならない」


つぐみ先生は、めいかのために椅子を用意し隣に座らせた

「じゃあめいかちゃんはどうしたら

 三角形の角度の合計が180度っていうのを納得するのかな」


めいかはしばらく考えた

そして先生の机の上で三角形を描いた                            


めいかは言った

「この三角形は、かりに角度の和が180度ではないとします。すると」


つぐみ先生はその続きを興味深く聞いていた

この子は習ってもいない数学の背理法を独自に編み出そうとしている


めいかはそこでしばらく口が止まった


そして言った

「つぐみせんせい、三角形とは一体なんのことを言うのでしょうか」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ