表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/35

022 エルエニアの記録・3 ~誘い~

 お姉ちゃんとキャロルちゃんが本気で特訓し始めて暇になっちゃったから、昔のお姉ちゃんの記録でも見ようかな。

 どの辺りの記録にしようか。そうだなぁ~……。お姉ちゃんが騎士団の入隊試験を受けに行った頃の記録が良いな!!


◆ ◆ ◆



【姉の記録(試験日)】

 王都に来てから3ヶ月。遂に今日は騎士団の入団試験が行われる日。これに合格したからその日から騎士ってわけじゃなくて、騎士見習いとして学校のようなところに入れるだけなんだけどね。

 さて、お姉ちゃんは会場に到着したみたい。まずは受付の名簿に名前を書くところから……。あ~これは、うんうん。そうだよね。案の定、受付側で用意してくれたペンを握り潰したね! いつもの私と勉強する時に使っている頑丈なペンは、カンニング対策の観点から持ち込むことは不可能だもんね……。すぐに代わりのものを用意して貰ったけどそれもダメで、字が書けなくてイライラし始めちゃった……。ああ、遂には魔法を使ってインクを操作して文字を書いて『これで問題ない』みたいなドヤ顔を決めてる。しかもお姉ちゃん、受付の人には『魔法は使えません』って言った。あのね、今更それは無理だと思う。



【姉の記録(試験中)】

 筆記試験は結局、全問正解ですらすらと終わった。マギアの簡単な構造や魔獣についてのテスト、周辺各国との情勢とかを答えるだけだったから、暗記が得意なお姉ちゃんには楽勝だったね。

 ただ、問題は実技試験の方だったわ。試験担当官の両腕が、どう見ても曲がっちゃいけない方向に曲がってる。魔法を使ったのか、能力者かって問い詰められてるけど、持ち前の筋力だけですって言い張ってるね。お姉ちゃん? いくら凄まじいパワーを持っている人でもね、盾を構えた上から剣を振り下ろして、その盾を破壊して鬼みたいな教官の太い腕をへし折るってね、それで一般人ですって言い張るのは無理があると思う。これだけ問題を起こしちゃったら、残念だけどお姉ちゃんは騎士団に入れないと思う……。

 追記:腕を折られた鬼教官がお姉ちゃんを気に入って、特殊部隊に入隊しちゃった。嬉しいけど、色々と大丈夫かな……。



【姉の記録(特殊部隊での訓練)】

 お姉ちゃんが入隊してから一週間、既に隊員の数が半分以下になってる。原因はね、お姉ちゃんが綺麗過ぎたせいかな! お姉ちゃんは私から美しい容姿を保ったほうが良いって言われてから、それを忠実に守り続けて凄く綺麗だもんね。変な気を起こした隊員がお姉ちゃんの寝込みを襲って一体化しようとした結果、返り討ちにされて地面と一体化していた事件が起きたらしいね。体目当てで寄ってくる変態には容赦するなって教えた私の教えも、ちゃんとお姉ちゃんの役に立ってて良かった! これからも変態には容赦しないで欲しい。

 後は、単純にあの鬼教官の指導が厳しすぎるみたい。夜逃げに近い形で逃げ出した隊員も多くて、生半可な覚悟で入ってきた奴は全滅したみたいね!



【姉の記録(食堂)】

 お姉ちゃんの特殊部隊候補生とは違う、エリートコースで入団した騎士見習い達から、お姉ちゃんがイジメを受けている。スープに雑草や虫が混ぜられていたの! 酷いよね、赦せない!! 今すぐ犯人を丸焦げにしてやろうって思ったら、お姉ちゃんったらそれを気にせず食べようとするんだもん!! その異常事態を鬼教官が見つけて、食べる寸前のところで止めてくれたよ。ナイスだよ、鬼教官! お姉ちゃんね? これは『色とりどりの食事』って言わないんだよ? 草とか虫が入ってるのが色とりどりって、絶対違うから! いやいや、好き嫌いはしないのでって言って食事を続行しようとしないで!?

 結局、鬼教官が『これは食べ物を粗末された、お前は馬鹿にされているんだぞ』ってきちんと教えてくれた。そしたら状況を理解したらしいお姉ちゃんが、今度は犯人全員捕まえて、生ゴミを投棄する大きな箱にぶち込んで大問題になっちゃった。鬼教官、頭を抱えてる。私も抱えてる。

 追記:結局、このいじめ騒動の事実が公になって、今回は両成敗ってことで、厳重注意だけで終わりました。



【姉の記録(練習試合)】

 早いもので、特殊部隊候補生に選ばれてから、もう3ヶ月以上が経過しました。

 今日は待ちに待ったマギア初搭乗の日! 特殊部隊候補生は、エリートコースの見習いよりも1ヶ月遅くの初乗りってことで、まずは機体の操作になれようってところから……だったんだけど。お姉ちゃんが預けられた練習機は凄く古いやつで、エリートコースの見習いの最新機よりもずっと弱い、出力が20%ぐらいしか出ないポンコツ機体なんだって! そんな機体なのに、エリートコースの見習いと早速練習試合をやらされることに……。酷いよ、完全にいつぞやの報復だ! 『平民の出に力の差を教える良い機会……いや、良い機械だ』って、面白くないジョークを言ってる男の顔面にグーでパンチしてやりたい!

 でも、結局そのクソ寒いジョークマンは、お姉ちゃんがボコボコにやっつけてくれました! エリートコースを担当してる教官は、何が起きたのかわからないって様子で口を開けたまま固まってる! 鬼教官は暗い顔をしてたけど、今は一転して大爆笑!! 私、愉悦のあまりニコニコが止まりません!!

 そしてマギアから降りてきたお姉ちゃんを『どうやった!!』って問い詰めたんだけど、『どうって、言われた通りに操作しただけよ』って言って、エリート達の顔を真っ赤にさせてた。実はお姉ちゃん『動きが悪いわね……。そうだ、私の魔力で補えば良いかしら。ふんぬっ!!』って、自分の魔力でマギアの操作をアシストしてました。その結果、本来ポンコツ機体では出せるはずのない威力のパンチが叩き込まれ、最新機の装甲が木っ端微塵吹っ飛んでた。

 

 ――――いやぁ、力の差を教える良い機械、いえ良い機会になりましたねぇ~……。


 追記:この後、お姉ちゃんは特殊部隊の本隊に編入されることが決定、異例の早さで本隊へ配属されることになりました。



◆ ◆ ◆



 いやぁ、いつ見てもお姉ちゃんの見習い時代、酷すぎる。この後、特殊部隊【鬼神】に入隊してからも、まだまだ酷い事件が沢山あるんだよね……。


「システィーナ様、キャロル、もう夕食の時間が近いです。お風呂の準備も出来ておりますよ」

「……ありがとう。キャロルちゃん、お腹が減ったでしょう? お風呂に入って、ご飯にしましょう」

「は、あい……!! 食べ、たら、もう一度……」

「夜は精神面のトレーニングにしましょう。体を休めて集中力を高めることも必要よ」

「は、い!」


 キャロルちゃん、好戦的過ぎない……? ねえ、この子がボディガードで本当に大丈夫……? ちょっとでも怪しいって思った相手を、片っ端から無力化するキラーマシーンに成長したりしないよね? そんなまさか、ね……!


「システィーナ様、ヒルガオ会長から一緒にディナーでも如何かとお誘いがありますが……」

「エルちゃんとの約束、第33条。偉い人の食事の誘いは原則断ってはならない……だったわね」

『それ、まだ覚えてたんだ……』

「全部完璧に覚えているわ」


 ええ……。結構約束した気がするんだけど、全部覚えてるんだぁ……。こ、怖ぁい……。

 それにしても、ヒルガオ会長からディナーのお誘いか~。恐らく、ちょっと面倒な話も込み込みってことだよね。ちびエルちゃんを使って、事前に情報収集をしておこうかな。


「エルちゃんとイヴちゃんとキャロルちゃんも同席出来るなら行くわ」

「そう言うと思いまして、既に確認しております。ヒルガオ会長は快く許可を出してくださいました」

「さすがイヴちゃんね。じゃあ、行くわね」

「はい。では、そのように」


 え、私も良いんだ。じゃあ、余計な労力を使わずにその時聞けば良いか~! 何を食べさせて貰えるのかな? 楽しみ~!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本作を御覧頂き感謝申し上げます。画像をタップ・クリックして作品等のページに飛びます
91yBAKrtvML._SL1500_.jpg
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ