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過去話 暫定結論

ごちゃごちゃしててすみません…

夢日記を続けること数日。私は暫定的な結論を下すに至った。


井上詩織の世界も、シルヴィ・ランドールの世界も現実である。


夢日記をつけるまでもなく、ここ数日は鮮明に夢の内容を思い出せるようになっていた。それと同時に、私はかなり昔から、この現象を夢に見ていたようだった。シルヴィは眠ると詩織になり、詩織は眠るとシルヴィになる。そしてお互いにそのことを夢に見る。今までは内容をほとんど忘れていた、だからお互いがお互いに影響を及ぼすこともあまりなかったのだと思う。


だけど今は違う。


私は自分が詩織でありシルヴィであることを自覚している。今の私には詩織の記憶も、シルヴィの記憶も備わっている。どちらも鮮明に思い出せる。これが自分でなければなんなのだ。

事実は小説より奇なり。

まさか自分がこんな現象に巻き込まれるとは。いや巻き込まれていた?組み込まれていた?まあいいか。ヒロイン願望なんかないよ私。屋敷に引きこもってる時点でヒロインも何もないけどね。


つまりなんだ、科学的根拠も魔法学的根拠もなく、私の主観のみで結論を下すならこうだ。


詩織の肉体と、シルヴィの肉体を、私という一つの意識が共有している。もしくは行き来している。詩織のいる日本がある世界と、シルヴィのいるこの世界の間を。

これも異世界転移って言うのかな。意識だけが行ったり来たり、しかも肉体は二つあって一つの意識で共有って…なんだかなあ。

今までまったく自覚してなかったのに、いきなりこうなったのは間違いなくあの頭打った事故が原因として、これから先も、私はこうやって生きていかなきゃいけないわけか。


事故をきっかけとして起こった、このお互いの記憶や意識の自覚について、私はリンクと呼んでいる。あくまでも、同じ意識であったとしても、なんなら同じ魂と言っていいかもしれない。詩織とシルヴィは別の人間としてそれぞれ形作られていた。私の魂がどちらかが眠ることで別世界を行き来するとして、一方の記憶や性格なんかはほとんど押さえた状況で、もう一方の人間が起きるって感じ。起きる際、寝てる方の記憶や性格なんかは抑えられてるから、同じ魂でも意識は別…的な?自分で行ってて分からなくなってきた。

とにかく、今までそうやってうまく分けられてきた、別々にされてきた二つの意識がリンクしちゃったんじゃないかってこと。このリンクにより、私は私として一つの性格に定まっちゃったし。シルヴィでも詩織の記憶があり、詩織にもシルヴィの記憶がある。例えば目の前に一つの問題が提起された場合、今までは詩織には詩織の考え方があり、シルヴィにはシルヴィの考え方があったのに、今は私の考えしかない。詩織とシルヴィ、二人が別々に歩いてた道が完全に一致してしまってる感じ。


ただ、私は詩織として起きた時はもちろん詩織だし、シルヴィの時もそう。それは今までと変わらない。正直私も混乱してて、もっとわかりやすくしっかり説明しろと言われても難しい。だから暫定結論。結論出さなきゃいつまでも考えてしまって疲れるから。


こうなっちゃったもんは仕方ないし、私のせいとかじゃないし、私が決めたんでもないし、今までそれでうまくいってるならそれでいいんじゃない?どっちも私には大事な現実であり、起きたら消えてしまう夢でないのならば、それで。


ただ、これ、完全に私、二足草鞋履いた生活を送らなきゃいけないってことなんだよな。


どこの誰がこんなややこしいこと考えたんだか実行したんだか、はたまたただのバグ的なものなのかは知らないけど、迷惑すぎだよ!確かにシステム的にはうまくできてるっぽいけどさ。だからってきつすぎるよ〜。


まあメリットもあるけどね。

例えば、自分を客観的に見ることができるようになったとか。

例えば意識のリンクによってシルヴィの性格が変わったように見られてるとか。明るくなったとみんなに喜ばれてるとか。

例えばシルヴィはかなり高度な勉強こなしてたから、詩織の学力もアップしたとか。

まあいろいろね。

シルヴィ時の人間不信、ちょっと改善とかもあるな。あとかなり楽観的に物事を考えられるようになったとか。こう並べてみると汁にとってのメリット多いな。どんだけ難ある性格だったんだよ前のシルヴィターン私。ま、しょうがないよ、オタク楽しいもん。地味目卑屈生きてていいの?な性格なんて押しつぶされちゃうよね。だって推しかわいいもの。

どうせならシルヴィの世界でも推しできないかな。そしたらきっともっと楽しいぞ〜。


わはは、こうなったら人生楽しむしかないよ。しばらくはシルヴィ改造計画だネ!改造計画ってなんぞ?それは今後をご期待あそばせ!

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