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役割

今日も夜更新できたらします。

馬回。

馬装をし、外に出る。

角馬場はないものの、丸馬場はあるようで、そこに入る。




「普通に馬場があるんですね……。常に浮いてるのかと」

「ああ、君飛んで来たのか。飛ぶのは魔力を使うし、訓練はするけど滅多にやらないな」


と、言うことは、私でも普通に乗れるのでは……?

小学生から通ってた乗馬クラブ。

大会に出たこともある。

中高生で部活があっても、月に1回は行ってたのだ。

知り合いの瑛良さんが牧場を始めて、そっちに行くようになって。

大学に入ってバイトで瑛良さんの牧場へ通うようになった。

馬歴はそれなりにある。

まあ、選手になれるほどは乗れないけど……。


私はどちらかというと調教の方に興味があったので、毎回は乗れなくても良かったけど。



エーディスさんがあぶみに脚をかけひらりと乗る。


特に着替えたりはせず、シャツとスラックスでヘルメットもつけていない。



鞍はブリティッシュに近いスタイル。

スッキリしたデザインで、軽そうだ。


馬銜もつけていて、水勒だ。あまり馬具も違いがないみたい。

額革に角を通す穴みたいなのは開いてるけど……。


舌鼓で合図を出す。

これも同じ。

扶助も、脚と手綱と音声とで大きな違いは見られない。

常歩、速歩。そして駈歩。

馬だ。



と見ていたら、シオンの足元が淡く輝き、翔んでいく。

空中で駈歩しているみたい。

シオンの互い鬣が、エーディスさんの長い黒髪と共に巻き上がる。

ぐんぐん高度が上がり、見上げるのが辛いくらい上がっていく。



格好いい……!




降り立つと、風が巻き起こる。


「うわー!すごいです!めちゃめちゃかっこいいです!」

「どうも」


ちょっと照れているのか、目を合わさずにシオンの首を軽く叩いてやりながら応えるエーディスさん。


エーディスさんは、だいぶ乗れる人だ。

無駄がなく、芯がぶれず負担の少ない乗り方が身に付いている。

拍車や短鞭を使わなくてもあれだけ意思疏通ができてるし、信頼関係ができているのだろう。

まさに人馬一体。



「明後日から、シオンを王宮のスレプニール厩舎に連れていく。

……俺は一日中いられないこともあるかもしれないけど、その時は見てやってくれ」


エーディスさんはどこか固い口ぶりでそう言うと、馬装を外し自由にしてやる。

シオンは馬場に敷かれた砂で砂浴びをし、満足そうだ。




シオンの部屋の掃除やら水の追加やらは、エーディスさんが魔法であっという間に終わらせてしまった。

馬房の掃除とか手伝う気満々だったんだけど……。

あれ……マジで、私役に立てるかな?

一抹の不安がよぎるぞ。







とりあえず、お世話になるので役割を貰うことにした。

家事はできる範囲で私がやる。


殿下は私が気を使わないようにエーディスさんが楽になる、みたいな言い方をしてたけど、エーディスさんのためと言うよりは私のためにエーディスさんを付けざるを得なかったんだと思う。

エーディスさんに迷惑をかけないように、従者の仕事内容はよくわからないけど、できる限り頑張ろう。

殿下直々に頼まれたので、この家の片付けにも手を付けさせていただこう。


暫くは、エーディスさんの様子をうかがいながらエーディスさんの行動範囲外を先にやることにする。


なんか、文句言われると嫌だし。




掃除に洗濯、そして料理。

料理も、魔法玉があれば問題なくできそうだ。

エーディスさんは調理はほとんどしてなかったらしい。なんか、食えれば何でもいい、とか言いそうだ。


とか思ってたら、今日の希望を聞いたらまんま同じことを言われて笑ってしまった。


独り暮らし歴半年だが、節約のため料理はしてたのでようやく少しは役に立って良かった……。


「いただきます」

「……なにそれ?食べる前の儀式?」


手を合わせて拝む様子が珍しかったのか、エーディスさんから質問が飛ぶ。


「いや、儀式って言うほどのものじゃないんですけど。

食べる前の挨拶みたいな感じです。


食べ物と、作ってくれた人への感謝を込めて食べよう、ていうかんじですね」

「じゃあ俺は、君に挨拶をすればいいのか?」

「私だけじゃないですよ。このウインナーのお肉になった生き物とか、この野菜とか。

あとそういう野菜とかを育ててくれた人への感謝ですね。


まあ、そんな大仰じゃなくていいんですけど。なんとなく食べるんじゃなくて少し思いを馳せるというか……」


説明が難しい。

感謝の気持ちを~とか言ってるけど、形骸化してるしね。


私の説明でなんとなく察したのか、エーディスさんも頷きつつ手を合わせてくれる。


「イタダキマス」


なぜか片言。



食べ始める。

エーディスさんは貴族様だけあって、優雅に召し上がられている。

めっちゃ庶民的な野菜炒めとスープなのだが。


「お口に合います?」

「うん」


うっすら笑ってくれたので、不味くはなかったんだと思う。

そんな手の込んだものではないが、しっかり食べてくれると嬉しいもんだ。


エーディスさんは仕事なのか部屋に引っ込み、私は洗い物。


お風呂の準備だとかはご飯の支度中エーディスさんがやってくれていた。

お風呂に浸かる習慣があるなんて、日本人に優しいわ。

そして、はじめてのボクサーパンツを穿いた。

どこか心もとない。



上は悩んだ末、がらくたから謎の薄い板を見つけたのでそれを布で巻いて当てることにした。

前面にボタンをつければ即席さらしの完成。


一応ね?巨ではないけど、貧というわけではないからね?






砦のようになっている自室で作業を済ませ、寝た。


馬用語

馬装=ばそう。鞍、頭絡とうらく等付けて乗る準備をする

角馬場、丸馬場=四角い馬場と丸い馬場。丸い馬場は調教用に良く使う

馬歴=馬乗り歴。年数や鞍数(何回乗ったか)で表現することもある

あぶみ=鞍についてる脚を載せる部分

ブリティッシュ=イギリス式乗馬スタイル

馬銜=はみ。頭絡についてて馬の口に入れる。水勒すいろくは、はみの種類

額革=頭絡(顔につける馬具)のおでこにかかる革

舌鼓=ぜっこ。舌で弾く音。舌打ちとは少々異なる。馬への合図に使う

扶助=ふじょ。合図とする動作のこと

脚=きゃく。人の脚でする扶助の1つ。締めたり蹴ったり

手綱=頭絡はみに繋がっている。それを握って操作する

常歩速歩駈歩=馬の歩様(歩き方)。なみあし、はやあし、かけあし。かけあしより速いと襲歩(競馬の馬みたいな全速力)になる

拍車、短鞭=はくしゃ、たんべん。拍車は乗馬ブーツのかかとにつけて、脚扶助の補助する道具。短鞭は、短いムチ。

厩舎、馬房=きゅうしゃ、ばぼう。馬を飼う建物。馬の部屋に当たる馬房がいくつかある

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