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38話 え、なんで鶏が……(傭兵)

「へへへ。俺のように賢い奴になれば、隙を見て目標を手に入れるなんて造作もねーぜ」


 そもそも、とんでもない強敵がいるのに正面から戦おうなんて馬鹿のすることだ。

 目的は、あくまでも令嬢を1人攫うこと。

 ならば他の奴が争ってる間に奪っちまえば終わりよ。


「さーてと、この辺だったかな」


 俺は肩に担いでいる令嬢を見る。

 うひょー、滅茶苦茶可愛いな。

 依頼主に渡す前につまみ食いしてしまおう。

 まあ、気づいて文句を言われる前に、報酬をもらったら他国にとんずらする予定だけどな。

 なんてニヤニヤしていたが、異変に気付いて辺りを見渡す。


「おかしい……この辺で待機させていたはずだ」


 俺は小さいながらも傭兵団の団長だ。

 部下は20人ほどで、確かにこの辺で待機させていたはずだった。

 だが見当たらない。


「コケッ」


 する何かの鳴き声を聴こえ、そちらを振り向く。

 そこには通常よりも大きな鶏がいた。

 それだけでは驚かない。

 しかし次の相手の行動で俺は驚愕する。


【女神を置いていけ】

【さすれば見逃してやろう】


 木の板に何かを書き始めたように見えた次の瞬間、鶏はそんな文章を掲げてこちらに見せてきやがった。


「はぁ?」


 理解が追い付かずに呆然と立ち尽くしている。

 すると更に何かを書き始める鶏。


【お前もあの仲間入りはしたくはないだろう?】


 鶏はそう伝えると、まるでそっちを見ろとばかりに、くちばしをプイっと横へ向ける。

 そちらをみると――


「お前らあああああああ!」


 俺の部下たちがボロボロに転がっていた。

 周囲には多数の鶏が包囲してこちらを見ている。


「な、な、な……」


 全く理解できない。

 なぜ家畜の鶏がこんなことをしているんだ。


【そこに転がってるのと交換だ】


 鶏がそう伝えてくる。

 よく見れば部下たちはまだ息があるようだった。

 くそ……仲間の命には代えられねぇ……。


「分かった」


 俺は担いでる令嬢をゆっくりと地面に置く。


「これでいいな?」


 鶏はコクリ頷く。


「あら、まだ生きてるんですか? じゃあ、すぐに殺さないとダメだよね」


 第三者の声が響き渡る。

 そちらを見ると、ひとりの女の子が立っていた。

 年のころは攫った令嬢と同じくらいだろうか。

 しかし、その姿はとてつもなく異様だった。

 右手を空に向かって掲げ、その先には小型の太陽と呼ぶにふさわしい直径10メートルを超える火の玉を抱えていたのだから――


「コケエエエエエエエエッ!」


 木の板で会話をしていた鶏が急に大声で叫ぶ。

 全ての鶏がこちらに向かって猛スピードで迫ってくる。

 俺はとっさに後ろに逃げ出すと、鶏たちは地面に横たわる令嬢に次々とおおいかぶさりはじめる。


「死んじゃえ」


 次の瞬間、女の子は圧倒的な死をもつそれを、こちらに向けて飛ばしてきた。

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