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35話 襲撃

『マスター。招かれざる客がやってきました』


 深夜、全てが眠りに落ちる時間帯に、ヘルプちゃんから起こされる。

 思ったより早く襲ってきたな。

 俺はため息をつきながら、厄介ごとを片付けるために準備を始める。


「池田、起きてるか?」


 準備を整えると、隣の部屋で寝ている池田を起こすためにドアをノックする。


「起きてるよー」


 ドアが開くと準備万端といった感じの池田が姿を現す。


「なんか今夜はザワザワして寝付けなかったんだ」


「野生の感恐るべし……」


 俺なんてヘルプちゃんに起こされるまで全く気づきませんでした。


『問題が起きました』


 ヘルプちゃんが何かに気づいたようだ。


『強い魔力の持ち主がが2人います。強さはマスターとほぼ同格です』


 あ、うん……。

 そこまで言ったら流石に察してしまう。

 襲撃者2名はクラスメイトってことですね。

 面倒だなー。

 チート能力持ちがいるとなると、これは余裕がなくなったぞ。


「池田」


「なに?」


「これから来るお客さんの中の2人はクラスメイトの可能性が高い。とはいえ本気で殺す気でこられたら、手加減する余裕もないだろうから――」


「合点了解。ぶっ飛ばすね!」


 どうやら池田には容赦という辞書はなかったらしい。

 クラスメイトだからと差別なしで殲滅対象だった。

 ある意味平常運転で頼もしい限りである。


「表と裏から二手に攻めてくる。クラスのやつも1人ずつ分かれているようだ」


「なら裏口むかうね。裏手は何もないから気兼ねなく暴れられるもん」


 表側は道とかもあったりと壊しちゃダメなのが多いと愚痴をこぼす。

 まあ、俺はどっちでもよいので、表側を受け持つ。


「くれぐれも油断するなよ。相手には俺たちと同じチート持ちがいるんだからな」


「ほーい」


 池田は特に緊張するそぶりも見せずに、バットを肩に担いで歩いていく。

 それを見送ると俺も表側に向かう。




 屋敷から外に出ると月明りに支配された薄暗い世界が広がっている。

 突然矢が俺に向かって放たれてくるが、事前に展開していた【エアカーテン】によってはじき返していく。

 いきなり殺す気できてるんですけど……。


「なんだなんだ。今ので死んでくれないのかよ」


「お前は……藤堂だっけ?」


「お前は誰だっけか……存在感なくて忘れたわー」


 藤堂とうどう しゅんがニヤニヤと笑っている。

 あー、俺がクラスメイトって分かってて襲ってるな。

 元々の性格も結構意地悪な奴だったけど、これ色々とタガが外れるませんかね?


「いやー、聖女様の命令でよー。ここで悪者退治にきたんだ。そんでお前が悪者だー」


 何が可笑しいのか俺を指さして笑いだす。

 なんか怖いんですけどー。


『いけません! スキルの攻撃を受けてます!』


 えっ!?


 何を言われてるのか最初分からなかった。

 でもすぐに体が動かないことに気づく。


「はっはっは。俺のスキルの【停止】は無敵だぜー。対象一人の動きを停止できるからなー。どうよ? なんとか言ってみろよ」


 これはやばい。

 対象一人とはいえ動きを止めれるとか反則すぎる。


「どんなに動こうとしても無駄だぜ。このスキルは対象一人の意思での行動を完全に遮断しちまうからよー」


 くっ……油断した……ん?

 対象一人の意思での行動を停止?

 それって……。


「へっへっへ。俺も鬼じゃねーからよ。クラスメイトってことに免じて半殺しで許してやるぜ。そのあとは、ここに居るっていう貴族のお嬢様と楽しませても貰うぜ。ひゃはははあ――がふっ!?」


 無警戒で近づいてきた藤堂の顔面に俺の拳がめり込む。


「な、なんで動けるんだよ……スキルはしっかりと発動してるんだぞ!」


 残念ながら俺の意思ではまだ動けない……そう、俺の意思では!


「さて、手早く掃除してしまいましょう」


 俺の体を動かしながら、ヘルプちゃんが笑顔で頼もしいセリフを言ってくれるのであった。

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