33話 厄介な依頼
「は、はじめまして……シャリエラです。家名はありません……」
なにこの可愛い生き物。
身長150なさそうな小柄なのに、胸が物凄く自己主張してる――つまりでかい!
この幼さとエロさがアンバランスに融合した生き物は、絶対に保護しなければならない!
――くっ……危ない!
危うく理性が飛びかけたぜ。
しかしこれを捨てるとか、魅了の効果マジやばいな。
「実は婚約破棄されて、怒った父親に家を追い出されちゃったのよ。でね、行く当てもないからここに住まわせてあげて」
お願いと両手を合わせてくるクリス。
ふっ、安心しろ。
俺の答えは決まっている。
「だが断る!」
「何でよ!」
俺の即答にクリスが食って掛かってくる。
「部屋だって余ってるでしょ。生活費は私が払うから置いてあげなさいよ!」
部屋が余ってるからと、よく勝手に泊まり込んでくる図々しいお前が図々しいお願いをするんじゃない!
「悪いがそれは無理な相談だな……」
「あ、あの……」
俺とクリスが言い合いをしてると、シャリエラが涙目になりながら間に入ってくる。
「無理を言ってすません。別のところを探しますから……喧嘩しないでください……」
「ちょっと! 女の子を泣かせるとか最低よ!」
これは酷い。
なんか俺が悪者の流れになってるぞ。
「とてもとても重大な理由があって断ってるから仕方がない」
「理由って何よ?」
「俺は男だ」
「そうね。女と言ってきたら斬り殺してるところよ」
「物騒だな」
「いいから理由いいなさいよ」
俺は堂々と言い放つ。
「こんな可愛い子と一緒に暮らしたら、理性が飛んで手を出しちゃうのでノーです!」
「はわわわ。か、可愛い……わたしが可愛い……」
「ちょっと! いきなり親友を口説くのやめてよ!」
「理由を言えと言ったのはお前だ!」
クリスとの口喧嘩第二ラウンド再開である。
「つまり……テンリさんは一緒に住んだ場合、シャリエラ様を襲うのを止められないとおっしゃるんですね?」
「目の前にごちそうを置かれて、ずっと我慢できるほど俺は理性が強くない!」
ふはははは。
言ってやったぜ!
「マリさんも凄く可愛いですよね?」
俺は池田を見る。
池田も俺に見られてニコニコしながら見つめ返してくる。
確かに可愛いな。
「ペットが可愛いからって欲情する奴はいない!」
俺の中では池田はペット枠である。
なので問題なし。
「そ、そうですか……」
俺の言葉に思いっきりドン引きしないでもらいたい。
そっちが質問してきたから答えたのに酷い。
「ねえねえ、マリちゃんマリちゃん」
「なに?」
「テンリがシャリエラを襲おうとしたら退治してくれる?」
「おうともさ!」
こら、なにお願いしてるんだよ!
そしてなに親指立てて返事してる!
「根本的な解決になってないぞ! いずれ俺は池田と命を懸けた決戦をしなければならなくなるだろ! 正直勝てる気が全くしないけど、それでも戦うことになるからやめてくれ!」
俺の理性という名のダムは、欲望という名の水圧にすぐに決壊してしまうことだろう。
男の子の欲望なめんなよ!
絶対襲っちゃうからな!
「あ、あの……もし何があっても恨んだりしません。わたし……信じてますから!」
なにこの可愛い生き物。
俺に試練を与えようとしてるんですか?
「くっ……こんな可愛い子に信じられて引き下がれるか! やってやるぜ! ええ、やってやりますとも! そうさ、池田と同じペットだと思えば問題ない! そう、ペットだから一緒にお風呂はいったり、一緒に寝るのもありだよね!」
「「なし!」」
クリスとシェラから速攻でツッコミが返ってきた。
コロナ怖い。
ただいま生活環境が劇的に変化してて大変ですが、なんとか生存しております。
気長に続きおまちください。




