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31話 魅了疑惑

二章【聖女動乱編】スタートです。

時間ができたので始めましたが、毎日更新できるかは不明。

気長にお待ちください。

「最近お父様が変なのよ」


 牧場生活も始まってこれからって時に、クリスから問題ごとが舞い込んできた。


「お父様って……あの俺がこの世界に来た時に会ってる王様っぽいおっさんだよね?」


 クリスの呟きにそう返す。


「そう、王様っぽいおっさん」


「普通、王族をそんな風に言ったりしませんよ」


 クリスはその返答が面白かったのか笑いながら肯定する。

 シェラのほうは、なんか呆れた表情だ。


 クリスがこの国のお姫様だってことは、割とすぐに判明した。

 もちろんヘルプちゃん情報である。

 なのですぐに本人に確認するとあっさりと認めてしまった。

 一応敬語とかのほうがいいですかと質問したら、そんなのいらないって言われたので普通に接している。


「そうなの……実はあなたの同郷の1人と、特に親しくなっててね」


「へー、あの勇者様と仲良くなってるのか。まあ、仲が良いことはいいことだよな」


「違うわよ」


 どうやら外れたらしい。


「とある少女と仲良くなってるのよ……」


「少女ね……」


 誰だろう……。


「名前は確か……アマミヤトウカと言ったかしら」


 アマミヤトウカ……ああ、雨宮あまみや 桃香とうかか。

 名前は憶えてるけど、どんな女の子だったっけか。

 全く記憶にないってことは、目立たない子だったんじゃないかな。


「ヒャッハー!」


 外から鶏の背に乗って牧場を駆け回る池田の奇声が響いてくる。

 リーダー格の鶏に乗り、その後ろを多くの鶏が追走していた。


「いけだぁー!」


 俺が叫ぶと、器用に鶏を操作してこちらへと爆走してくる。

 柵の前で止まると、降りてこちらにやってきた。


「なーに?」


「雨宮 桃香って知ってる?」


「知ってるよ。大人し目の子だったかな。いっつも本を読んでた。ラノベとか大好きっぽいよ」


 池田からの情報を聞く限り、普通の大人しい女の子だなー。

 てことは、王様が一目惚れでもしたのか。

 やったね桃香ちゃん。

 玉の輿ってやつだね。

 年の差なんて気にならないくらい贅沢できちゃうね。


 なんて思っていたら――


「そういえば……こっちの世界に来た時『やった……ちゃんと魅了が手に入ってる』とか小さく呟いてたなぁ……」


 クリスを見ると真剣な表情で聞き返してくる。


「魅了について詳しく――」


 雨宮桃香がラノベを愛読してるってことは、よくある魅了系能力と考えていいかもしれない。

 まあ、当たらずとも遠からずって感じだろうから説明する。


「そうだな……簡単に言ってしまえば、自分に対して強制的に好意を持たせるスキルかな。無差別に周囲に効果があったり、異性にしか効果がなかったりする可能性もある。今のところ王様だけ仲良くなってるてことは、対象を指定した魅了かもしれない。ただ、範囲指定などは変更可能かもしれないから、今みている能力が全てだとは断言できない」


「精神を支配するなんて恐ろしい……」


「そいう能力って珍しいの?」


 クリスが神妙な顔で言葉を漏らす。

 俺の疑問にシェラが答える。


「奴隷に使われる契約魔法はあります。ですが、あれは命令違反した場合に苦痛などの決められた罰が下る仕組みで、決して精神を支配などしていません」


「なるほど……」


 ちなみに本当に精神支配とか無理系?


『そうですね。人間が使ったという情報は、まだ確認されていないはずです』


 ヘルプちゃんがそういうならそうなんだろう。

 でも怖いなー。

 下手に近づいたら俺も魅了されそう。


『お忘れですか? わたしがマスターの精神を正常にしていることを。つまり魅了はマスターに通じませんので安心してください』


 そうだった。

 そいういえばこの世界に来た時に、自称神様に若干好戦的になるように精神汚染されてたんだっけか。

 ヘルプちゃんのおかげで影響がないってことは、俺には精神系の攻撃は無効ってことでいいのかな。


『その認識で問題ありません』


 流石ヘルプちゃん頼りになる!

 自慢の頼れる相棒だ!


『そんな……最愛の恋人だなんて……嬉しいです!』


 若干バグってるけど優秀だから問題なし!


「王様を篭絡しちゃったかー」


「しちゃったみたいねー」


 俺とクリスはため息をつく。

 今後どんな厄介ごとが起こるのか不明だ。

 などと思っていたが、数日後に事態は動く。



 この国の王太子である第一王子と、雨宮桃香が婚約したという情報が舞い込んできた。

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