24話 出発
さて、訓練も無事に終了して、ついに大規模討伐の日がやってきました。
そしてここで言っておかなければなりません。
ヘルプちゃんは鬼教官だったのです。
まさに地獄の猛特訓に死ぬかと思ったのに、なぜか池田は楽しそうにこなしてた。
どこまでバケモノなんだ。
討伐前にダン爺さんのところに装備を貰いにいく。
「ほれ、これがお前さんの装備だ」
俺が渡されたのは、ミスリルを織り込んだ特殊な服一式だった。
フード付きのマントもセットだ。
「服も作れたんですね」
「なーに、それくらいはこなせるさ。変な機能をつけるよりも、シンプルが一番だと思ってな。魔力を込めると各種耐性が上がる仕様になっておる」
難しく考えずにすむのはいいことです。
シンプルが一番である。
早速着込んで少し魔力を込めてみると、体全体が守られているような感覚を感じることができた。
「こっちがお嬢ちゃんの装備よ!」
黒い鉄の塊を持ってくる。
まるで大きな盾みたい形状だな。
「魔石に生命力を込めることで、それを経由してミスリルに魔力を送っておる。こちらもシンプルに各種耐性アップだがな、実はとっておきのギミックがあってな……」
そういうと池田の耳元でゴニョゴニョと何かを言っている。
「おおおおおっ! 流石親方! ロマンのなんたるかをわかってるぅ!」
「ガハハハハ! お前さんならきっと気に入ると思っておったぞ!」
内容は聞こえなかったけど、どうやらとても気に入ったようだ。
「では行ってきます」
「行ってくるねー」
「おう。儂の装備とお前さんらの実力なら心配はしとらん」
ダン爺さんに見送られて冒険者ギルドへと向かう。
冒険者ギルドに着くと、大量の馬車が止められていた。
あれに乗って目的地まで移動するようだ。
ギルドマスターから簡単な説明がされ、馬車に乗って移動が始まった。
「わたしはクリス。こっちがシェラよ。これでもAランク冒険者で、2人で【氷炎】ってパーティをしてるわ」
馬車には俺たち以外に、2人の同年代くらいの女の子が同席していた。
「はじめまして。俺は鬼塚 天理です」
「池田 真理でーす」
クリスって子はなんかすごくニコニコしてるな。
反対に隣のシェラって子は、凄くこっちを値踏みするような目でジロジロみてくるんですけど……。
「今日はわたしたちと一緒に組んでもらうから仲良くしましょう」
「えっ!?」
ギルドマスターからは、パーティ単位での行動が基本だと聞いてたから驚いた。
「わたしたちは今回の切り札よ。強敵専門みたいな役回りになるわ」
「なるほど」
つまり手に負えない強敵は、ギルドでもトップクラスの俺たちが引き受ける感じになるのか。
いつの間にかトップクラス認定とかされてたのか……面倒だなー。
「もちろんわたしたち以外にも、強敵専門のパーティーはあるからね。この4人だけで全部回ってなんていられないから」
顔に出てしまってたのか、クリスが補足してくれる。
「俺は少しでも楽ができたら申し分ないんだけどなー」
「そんなこと言わずに、魔族を倒したっていうお手並みを拝見させてよね」
どうやら魔族退治の件を知って、俺たちに興味をもっているようだ。
その後も、魔族戦はどうだったとか、どんなことができるのかとか質問攻めにあう。
そうこうしてる内に、馬車は目的地へたどり着いたのであった。




