17話 装備を買おう
窓から朝日が差し込んでくる。
気持ちのいい朝だ。
昨夜は池田を背負って帰って部屋に寝かせ、鍵を部屋のテーブルに置いてから外に出た。
出た後は風魔法で内側から鍵をかける。
泥棒としても生活していけそうだ。
実際、アイテムボックスもあるから盗み放題だよね。
……まあ、悪用するのはやめておこう。
ちなみに風魔法しか使わないことにしてる。
というか風魔法は使ってるところを池田にも見られてるし、あの池田に秘密にするようにしても、うっかり口を滑らせる可能性大だ。
なら、風魔法は使えるってことにしておいたほうがいいので、積極的に使うことになった。
冒険者ギルドの申請では書いてないが、ヘルプちゃん曰く、切り札の一つや二つは冒険者としては当然らしいので、全然問題ないそうだ。
「さて、朝食でも食べるか」
宿でも食事はとれるが、時間帯は決まっている。
朝食に関しては昨日のうちに連絡しておかないと出てこない。
昼食は近くの食堂から取り寄せる。
夕食はなしで外でとってもらうことになっている。
俺は帰宅後に頼んでみたが、流石に遅すぎたため用意できないと言われてしまった。
なので近くの食堂に向かうことにする。
「おはよー」
部屋を出ると池田と会う。
待ち伏せしてたかのような偶然である。
「どこいくの?」
「飯食いに」
「あたしもいくー」
こうして池田を連れて近くの食堂に向かった。
「今日の予定は?」
食堂で空腹を満たしていると、今日の予定を池田が訪ねてくる。
「冒険者ギルドだな。とはいえばギルドカードは午後に用意すると言われたから、午前中は予定ないんだよな」
「なら装備買おうよ! 装備絶対必要だよ!」
正直俺は貰ったもので十分だし、武器もって戦うなどするつもりはない。
なので買うものがないんだが、池田は凄く興味があるのか凄い勢いで誘ってくる。
予定はないからいいかと承諾すると、ヘルプちゃんに武具はどこで買えばよいか質問してみる――と、返事が返ってこない。
おや、目の前にメッセージが……。
なになに『神様から呼ばれたのでちょっと留守にします。簡易モードで起動しておきますので、必要なことを申していただければ表示します』か……。
なんの用事なんだろうと思いつつも、おすすめの武具屋を検索。
ヒットした場所へと向かう。
「うおー! この剣かっこよくない!?」
店につくと池田は剣を眺めて目を輝かせている。
いや、お前バットのほうが絶対強いから武器いらんだろ。
むしろ防具を買え。
「鬼塚君は買わないの?」
「魔法使いなもので武器はむりだなー」
「なら仕方がない」
武器を見るのもひと段落して防具を見て回る。
「やっぱ定番は鎖帷子とか? たしか軽めで防御性能もいいんだよね? おまけに動きやすい!」
しかし見て思ったけど、店に並んでる品々はサイズ絶対合わなそうだよな。
ゲームと違って買ったから誰でも装備できるってわけじゃないだろうし、どうするんだろうか。
「サイズが合いそうにないんですけど、どうすればいいですか?」
カウンターにいる店員のおじさんに尋ねてみる。
「ああ、防具は基本的に売ってないよ」
あらら、肩透かしである。
「ここでは欲しい防具を言ってもらって、その後に作っている職人を紹介するのさ。ちなみに武器も細かい要望がある場合、同じく紹介する」
なるほど、そこで直接自分のサイズに合うものを作ってもらう感じか。
「なら鎖帷子はどこで作ってもらえますか?」
「あー、金属製品に関しちゃ、ダン爺さんがお勧めだ。ただちょっと気難しい人だから、作ってもらえないこともあるかもしれない」
連絡先を渡されて「ダメな時はほかの職人を紹介するから、また寄ってくれよな」と言われる。
「池田、鎖帷子作ってくれる人が見つかったから向かうぞ」
「えー、もっと見たいのにー」
「後で暇なときにでも一人できて見ろよ」
「迷子になるのやだからむりー」
とか笑いながら後ろをついてくる。
「おう、また寄ってってくれよな」
店員のおじさんが元気よく見送ってくれた。




