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速度狂、世界にスポーンする

リアルが忙しい為、遅くなりましたが投稿。

おっと、気を取り直してと。


「これでお願いします」


「解りました」


「それでは、Phantom Blade Online の世界へ行ってらっしゃいませ」


――

――――

―――――――




Now loading……




―――――――

――――

――



ロードが終わり、

世界がポツポツと描画されてきた。

ある程度描画されると、

光の粒子が集まってきて俺のアバターを形作る。

全て描画されて体の感覚が戻った。


なんとここまで3秒だ。


ここまでリアルなゲームがたったの3秒で描画を終わらせる。

ゲームに使うにはオーバーテクノロジーじゃないか?とは思ったが、遊べればそれでいいのだ。

それでだ。


「人が多いな!」


初期スポーン地点には、俺と同じような恰好の奴がいっぱいいる。

初期装備って奴だ。

まぁいい。


「さて、情報収集に探索でもするか」


そうして町を探索していたら



ドンッ!



《ダメージを受けました》


人がぶつかって来た。その瞬間ダメージを受けた。

この程度でダメージを受けるのか。


「どこみて歩いてんだ!?」


「は?お前がぶつかってきたんだろ?」


「うるせぇ!」


ガラの悪い男はそう言って殴りかかって来た。

俺は反射的に避けようとした。

でもダメだ!こんな急に殴られたら避けられない!



スカッ



「な!?」


いつもならば避けられなかったのに。

なるほど。

これは極振りしたAGIが効いてるな。


「生意気な!」


これなら……!

男の攻撃を避ける、避ける。

そして攻撃!


《1のダメージを与えた》


「ハッ、たったの1?こんなの痛くも痒くもねぇ!」


「オラッ!」


避ける。

男のHPは328から327にしか減らなかった。だが、碌にダメージを与えられないのは想定内。

それに、体の動かし方にだんだん慣れてきた。

スピードを上げよう。

すごい速さで後ろに回り込む。


「速いッ!」


男は振り向こうとするが、俺はその間に攻撃を叩き込む!


《合計7のダメージを与えた》


そして飛び退く。

ヒット&アウェイの戦法だ。

これを繰り返していく。


「クソっ」


何回繰り返しただろうか。攻撃が全く当たらないことに苛立ってか、男は滅茶苦茶に手足を振り回し始めた。

レバガチャ戦法だな。予測出来ない分、攻撃が当たり易くなる。

だが、遅い!


「こんなの当たんねぇよ!」


再び、怒濤の連撃。


《合計8のダメージを与えた》


男のHPは残り16。


「ふ、ふざけんな!こんなんチートだ!」


「チートじゃねぇ。SPをアジリティに極振りしただけだ」


「は?俺がそれやった時は体を早く動かせても脳がついていけないし、防御力は紙でちょっとのことでダメージ受けるし、攻撃力も殆ど無いから敵は倒せないしでさんざんだったから泣く泣くキャラ作り直すことにしたんだぞ!そんでキャラ作成しに行ったら無表情な3号ちゃんに何かを察したようななんとも言えない表情されたんだぞ!直ぐに無表情に戻ったけど!戻ったけど!」


「知らねーよ!」


唐突に自分語りを始めたが一蹴する。

ついでに攻撃。


「使いこなせるなんてズルい!チートだチート!チーターだ!」


「それでもチーター扱いかよ……理不尽だ……」


「あなたには解らないでしょうねぇ!」


そう喚きながら突撃してきた。軽々と避け、攻撃。

男はHPが0になったと同時に、親指を立て、倒れる。


「I'll be back.」


じわじわと小さい光になり、拡散していった。


あいつとの戦闘はよかった。ラストで男が親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙無しには見られなかった。

って。あのネタ古!何十年前のネタだよ!わかる中学生俺以外いないだろ!乗っちゃった俺もアレだけど。

なんか憎めない奴だったな。

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